29 posts categorized "07. 本と言葉"

01/24/2012

Alex Teh, Common Purpose, in Susan Komivez et.al.(eds.), op.cit,(読書ノート)

大学生は学内外で多くのグループ・組織に属している。良いグループ・組織はいつも「我々はなぜここにいて、何をしているのか。我々の共通の目的は何か」を自ら問い、答えられなくてはいけない。

"Common purpose"には三つの要素がある。
vision/ aims/ value
vision=その組織の理想的な将来像は?
aims=その組織はなぜ存在しているのか?
value=組織のvisionを実現するために自分やメンバーをどのように扱うと合意しているか

メンバーを結束させる良いvisionがないと、成功した大企業でも凋落していく要因になる(Kotter)。

異なるvalueをもつ組織出身の人々に、はっきりと口に出してvalueが異なっていることを認識させるのは優れたリーダーの仕事の一つである。

common purpose、特にvisionはどこから来るのか?
Howell(1988)によればその源泉には二つのタイプがある。
1) personalized vision
責任者(person in charge)が自分のdreamやvisionを持っていて、それをグループ内で共有する。良いvisionであればこれに参画するのに労をいとわない人々を募ることができる。これは大学の多くの授業の初日のやり方に似たアプローチとも言える。
2) socialized vision
グループメンバーがビジョン作りに貢献する。これは必ずしも各自が持っている個人ビジョンがグループビジョンに反映されることを意味せず、むしろ全員が一緒にグループビジョンを作ることにinvolveされることを意味する。一緒に作ることで、メンバーがcommon purposeに向かって多くのinvestment and commitmentをするようになる。[これはまさにBLP教員団・SA団のめざす状態]

大学の授業初日もこの要素をとりいれたほうが、学生の参加意欲が高まる。もちろん学生の要望を全部容れる必要はないが、要望を聞く過程でクラスがグループとしてinteractし始める。

common purposeを作る過程でどの程度consensusを重視するかにもバラエティがありうる。またconsensus自体も全員一致でなくても、全員がvoiceし終えて、common purposeの実行を支持できることが重要。合宿やアイスブレーカーが有効なときもある。Tシャツやスローガン作りも注意深くfacilitateすれば役に立つこともある。

common purposeを作るための討論を経ていると、その後一緒に働きやすくなる。これは個人的な経験を共有したり相手の話をよく聞いたり、厳しい決断をしたりというステップが全員にとって重要な学習になるからである。

1)のpersonalized visionは、それを他のメンバーに伝える過程で、もともとそのvisionを持っていた人が、他人の意見を聞かなかったり、他人の意見によって元々のビジョンを多少とも修正する気がないときには困難に直面しやすい。他方、2)のsocialized visionも、そうしたビジョンを作る仕事が途方もなく難しいと思えるときには機能しない。さらに、年々メンバーのかなりの部分が入れ替わるような組織(学生団体など)の場合には、別の困難があるが、新メンバーに対して常に意識的にこれまでのビションはどうであったかを伝えるとともに、新メンバーがそれに違和感をもっているならすぐそれを共有することがその組織の将来にとって重要であることを周知しておく必要がある。

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01/11/2012

Jordan England, Collaboration, in Susan Komivez et.al.(eds.),op.cit.(読書ノート)

コラボレーションは仕事を効率的にやりとげるためだけでなく、自分や他人について学ぶための強力なツールである。

多くの人が効率のためには競争が良いと考えてきたが、Kohn (1986) のようにコラボレーションのほうが競争より良いときがあると主張する論者が増えている。

cooperationとcollaborationの違い。collaborationは共通の目的を達成するために協力することであり、cooperationは目的は各人異なっていても譲りあう(ないし交換する)ことで目的を達成することを指す。

collaborationの過程でdiversityは(存在するだけでは充分でないが)group thinkを防ぎ、非常に大きな役割を果たす。[質問会議で「一見馬鹿な質問が功を奏することがある」というより、diversityを活用しようというほうが分かりやすいのではないか。]

collaborationのために必要な個人のcompetencies
・personal work 自分自身の価値観や感情を自覚していることが必須
・building trust グループのメンバーが決まった時点ではそれぞれ別のagendaを持っているのが当たり前。しかしそれを放置しておくと対立や不信のもと。これを解消するには、
 1) informal exploring(お互いのバックグラウンド、関心、優先事項、物の見方を知りあうこと),
 2) sharing ownership(struggle over control and ownershipが対立や不信の原因になりやすいので、全員がownershipをもつように工夫する。特にこのことは、positional leaderや、リーダーレス・グループで主導権を握りたがる人によくあてはまる)[ホノルルのAPLPのsilent classでも、「主導権を握りたがる人々」に対して「そんなのはdominationでしょ、leadershipとは何も関係ないわよ」とグッサリ一撃した女性がいた。http://www.mhigano.com/blog/2011/09/silent-class.html のちにこの女性は私の担当したアクションラーニングセッションでも見事なコーチぶり・メンバーぶり?を発揮した。http://www.mhigano.com/blog/2011/12/post-30d7.html],
 3) celebrating(small sucessを皆で祝うことは効果的)[これはKotterの8つの段階にも登場する],
 4) creating powerful, compelling experiences(group processの最初の方でrope courses[perfect squareのことだろうか]やoutdoor challenge tripsの経験を共有すると迅速にtrustが形成される。[経営学部が開設される直前の2005年に、perfect squareを教授会メンバーを対象に実施したのが、まさにこのexperienceであり、また、今思うと経営学部での教員FDの発端だった。http://cob.rikkyo.ac.jp/blp/1413.html また、BL2の学期の初めの頃に同じゲームをやっていた時期もあった。手っ取り早くtrustを形成するには飲み会なんかよりこのゲームを開催するほうが効果的というのも知っていて良いと思う。]

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12/27/2011

Nurredina Workman, Change(読書ノート)

選挙で選ばれる学生代表がchangeをもたらす過程を想定。任期が終わって代表が入れ替わるたびに変革が途切れてしまうのを防ぐのに、引き継ぎ事項を書いたバインダーを用意するというのはsingle-order change。そうではなく、選挙で選ばれた少数の者だけで運営するという体制自体を変えてしまって広い範囲の人々とノウハウを共有しておくようにするというのがsecond-order change(Boyce 2003の応用)。

John Kotterの8段階の適用。2004年コロンビアでコカコーラ工場で、労働組合を組織しようとした従業員の謎の死亡事件で、米国の都会の大学の多くでコカコーラ不買運動。[若者にとっては、企業に就職した場合、Kotter型を経験できるのは相当の時間が経ってから。そうであればむしろ学生時代に一度は経験しておいたほうがいいかもしれない] ただし、large social systemならではの固有の問題はある(境界がはっきりしない、動員がかけづらい等)。

ネットワーク型の組織・社会では、変化はコントロールしづらく、予想外に早く・大きくなることもある。それに対応して、変化を起こそうとする人change agentも、自分がしかけたつもりの変化でもその効果を予測しづらいので、"Learn as you go"という姿勢をもっている必要がある。変化の浸透のしかたにもいくつものパターンがある(濡れた砂型、電線の上の鳥型、イースト菌型、ウィルス型など)。

変化に反対する人々の言い分のパターン
1) その変化の必要性は既に満たされている
2) その変化によって必要性の充足がむしろ難しくなる
3) その変化のリスクは利益を上回る
4) その変化は不要である(なくても困らない)
5) その変化の過程が不適切に行われている
6) その変化は失敗すると予測される
7) その変化の意義を信ずることは、他の価値観と矛盾する
8) その変化を担当している者たちが信用ならない

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Jose-Luis Riera, Applying the Social Change Model(読書ノート)

Jose-Luis Riera, Applying the Social Change Model, in Susan Komivez et.al.(eds.), Leadership for a Better World, 2009.(読書ノート)

Case Study #1: An Inconvenient Truth
州立大学のある市内の貧しい地区での環境教育のプロジェクト
メンバー間の情熱の違い、"Rocking the boat"など。

Case Study #2: Starving for Attention
名門私立大学生が、大学の一部職員の最低賃金についてキャンペーン
[大学でSCMを使用するなら学生のこうした行動も容認する覚悟が必要]

Case Study #3: Clear Haziness
地元に愛されている州立大で大学新聞の写真部門の編集者になり、写真家たちが不適切な写真を自分のFacebookに載せる慣行があるのに気づき、それを直そうとしてベテラン写真家たちと戦う。

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12/21/2011

Kristen Cilente, An Overview of the Social Change Model of Leadership Development(読書ノート)

Kristen Cilente, An Overview of the Social Change Model of Leadership Development,in Susan Komivez et.al.(eds.), Leadership for a Better World, 2009.

Bass(1990)によればリーダーシップ論は古代エジプト時代からあるが、産業革命以降の西欧では、リーダーのポジションについた人が他人をどう働かせるかという問題に焦点が絞られていた。その傾向が大きく転換したのは、1970年代のGreenleafとBurns、それに続く80-90年代のリサーチ、さらに90年代のKouzes&Posnerらの著作以降である。しかしcollaborative leadershipというのは概念化が難しい。そこでリーダーシップはリーダーの行うことである、という定義からリーダーシップは過程であるという定義に移行した。このアプローチを採る場合、リーダーの地位にある者が他の者にどう働きかけるかという考えは捨てて、(組織内に上下関係がある場合でも)全員が[リーダーシップのある]行動をとるべしという考えに変わらねばならない(2000年前後の各種研究)。

こうした研究面での変化を受けて、大学教育においても変化がおきた。1993年米国教育省は大学でのリーダーシップ教育に補助金を出し始め(UCLAなど)、96年にはSocial Change Model of Leadership(SCM)が大学教育界に広く知られるようになった。

SCMは8つのvalueをめざす(図省略)。まずリーダーシップがそもそもchangeのためにある。他の7つのCは3つのレベルで追求される。個人レベルでconsciousness of self, congruence, commitment,組織(グループ)レベルでcollaboration, common purpose, controversy with civility, 社会全体との関係でcitizenship。7つそれぞれについて、knowing (knowledge acquisition), being (attitudes), doing (skills)が明示されている。[常に暗唱するには7つは多そうに見えるが(PMは2つだしKouzesらは5つだ)、3レベル別になっているので実はそう大変ではない。またknowing,being,doingが明示されているのも良い。また、controversy with civilityのところを多少拡張すれば多様性対応・グローバル対応も可能に思える。groupを企業組織に読み替えることも容易である。]

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12/20/2011

Wendy Wagner, What is Social Change?(読書ノート)

Wendy Wagner (2009), What is Social Change? , in Susan Komivez et. al.(eds), Leadership for a Better World.

リーダーシップは「変化」に関するものである。変化をもたらす者のなかに、自分はリーダーであるという意識の者とそうでない者もいる。

この本に書いてあることはビジネスにもあてはまることが多いが、主な想定読者は社会に変化をもたらそうとする学生である。

social changeがcharityと違うのは、(前者が)社会問題のroot causeが何であって、それはどう解決できるかを調べる点である。

social changeはcollaborativeで、カウボーイアプローチ(問題を抱える町に外からカウボーイがやてきて問題を片付けてしまい、町民から成るadminを作ったら去る)ではない。自分の味方を他人に押しつけないことが鍵になる。

social changeは単純ではなく、例えば、「飢えている人に魚をあげるよりも魚の釣り方を教えよう」と言っても「魚の釣り方を学ぶまでの間をしのぐ魚をあげなくてはいけない」。

97-2001の調査のころと違って、学生のあいだのシニシズムは弱まってきて、collective actionの可能性を肯定的に評価している。

social changeに参加する人の動機はさまざま。
a) 自分や家族が経験した問題を解決したいと思ったこと。
b) はみ出し者(marginal)であることが強みを形成して、social change agentになる。
c) making a differenceで満足感を得る。

p.26 social changeに巻き込まれる前からリーダーである人は稀である。social changeのさなかにリーダーになっていくのであり、その意味でsocial change agentはやりながら学ぶことを喜んで実行しなくてはならない。また、初期には影響力が小さすぎて無力感をもつかもしれないが、影響力もchangeを行いながら徐々に拡大するものである。

p.29 陥りやすい間違い
1) 共同体に何かが欠如していて、それを補うのが使命であたら思い込む(deficit-based perspective of the community)こと。他に比べて何かが欠けているからそれを補おうという発想を逆転して、どんな資産を現状で持っているかを考えるほうがいいことが多い。
2) Seeking a magic bullet=quick fixを求めてしまう
3) Ignoring cultural differences
4) Avoiding the potential pitfalls

p.32 Socially resposible leaderhship
メンバーへの責任と社会への責任の両方

p.38 最良のリーダーシップ開発方法は、経験と振り返り。Kolb (1981)によるjornal writing法がよい。
1) concrete experience
2) reflective observation
3) abstract conceptualization
4) active experimentation

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12/17/2007

影響力の法則(書評)

原題はInfluence without authority、つまり権限がないのに影響を与えることといった意味である。リーダーシップ論や組織論でもよく言われるように、縦一本の命令系統で全ての情報を下から収集し上から命令を下すという昔の軍隊風(著者の言うように軍隊ですら今は違うようだ)の組織運営では全く間に合わないほど現代の企業環境の変化は激しい。そうした環境の中で成果を得ようとすれば、必ずしも権限に基づいていないリーダーシップや組織横断的なプロジェクトチームによる主導が常に必要になる。ここまでであれば多くの論者によって主張されていることである。むしろ本書の白眉はそうした自発的・内発的なリーダーシップ emergent leadershipを発揮するに当たって必要になる対人関係のスキルを「交換」の観点から整理し、さらにさまざまなケースについて懇切丁寧に例解したことにある。組織の中で働いた経験のある方ならば誰でも本書の中でいくつか思い当たるケースに行き当たると言えるほど例が豊富である。アルバイトの積極的な提案が大切にされるような職場にもあてはまるので、アルバイト経験の豊富な学生にも(全てとは言わないが)かなり理解できるだろう。社会人ならもちろんである。

そもそも「交換」は、同じものに対する評価が人によって違うことから発生するというのが経済学の基本中の基本だが、経済学の想定とは違って、われわれは自分が持っていて相手に評価されるかもしれない財や資産(著者はカレンシーと呼ぶ)に本人が気づいていないことがしばしばある。そこで著者は、何がカレンシーでありうるかについて包括的なリストを読者に提示し、そのリストをいつも意識していることが必要だという。応用篇として、上司に影響を与える・厄介な部下を動かすといった章が最後にあり、そのテーマ自体は類書にもよく見られるものであるが、本書はそれも交換という視点に徹して整理しているので分かりやすい。

組織の中で働く人たちが皆この本を読んで種々の交換を始める状況を想像すると、無意味な衝突が減り組織の円滑さが増すさまが浮かぶ。しかしそもそも組織の中で人々が何のために交換をすべきなのかという点が本書の中であまり強調されていないことにも気づく。著者は暗黙に前提していることと思われるのだが、それは(経済学での交換における消費者のような個人的満足ではなく)チームや組織としての「成果」のためである。つまり成果を上げねばならない点での合意はできていることが前提されている。従って、リーダーシップ論の言葉で表現すると、この本はP (performance,成果)とM(maintenance,人間関係)というリーダーシップの2要素のうちのMの、合理的な実践に焦点を合わせたものであるとも言えるかもしれない。著者はリーダーシップという手垢のついた言葉を(上司や部下との関係を扱った最後の方の章に至るまでは)慎重に避けているが、M要素を合理的かつ実践的に説いているという意味では本書はリーダーシップ開発の格好の教材にもなるだろう。この本をもっと早く読みたかったと思う読者が多数出ることが予感される。高嶋成豪・高嶋薫両氏による翻訳はこなれていて非常に読みやすい。

アラン・コーエン、デビッド・ブラッドフォード著『影響力の法則』税務経理協会

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新しい本を出しました

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10/11/2006

「金融」の意味〜メルマガ55号

学生や若い人たちの起業・事業計画コンテストで何度か審査員を経験しました。審査員には大学の教員はどちらかと言えば少数派で、ベンチャー起業家や経営コンサルタント、さらに投資家、場合によってはヘッドハンターや人材派遣業界の方々が入っていることが少なくないようです。

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09/15/2006

日本精神

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ゼミ生たちが長庚大学の学生たちと夜市に行っている間、僕は一人でもっと台湾ローカルのものでも食べに行こうと出かけました。

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