57 posts categorized "01. 教室の内と外"

03/04/2010

アシスタントのワークショップで質問会議

一年前から小規模に試行していたんですが、先週金曜日、ついに質問会議を大学の授業の学生アシスタントと有志教員のワークショップに導入することができました。
 どうして質問力をあげる必要があるかというと、リーダーシップ開発の授業では、グループで問題解決・企画提案プロジェクトを行うことが多く、そのプロジェクト期間中は教員もアシスタントも受講生たちに知識をインプットするというよりはプロセスを見守る役割になります。授業中にも机をグループごろに島状に並べ替えて、各グループがディスカッションを行う時間がありますが、島の間を巡回しているときに受講生から「どうしたらいいんでしょうか?」と相談されることはしばしば起きます。そのときに「こうしたらいいのでは」とついインプットしたくなる。どこまでインプットするか迷う。あるいはインプットしてしまってから後悔する。こんなときに受講生からの質問に直接答えないで、逆に質問で返すという技があります。
 もちろんどんな質問でもよいわけではないので、的確な(聞き手に学習を引き起こすような)質問を良いタイミングで行うために練習と経験が要るわけです。
 当日はアシスタント学生(学内規定ではstudent assistantという妙な名称です)3名と教員1名、それにプロのALコーチ(アクションラーニングコーチ)が1グループになり、そのグループが7つ、同時並行で質問会議を進めました。日本アクションラーニング協会の講座では最初からALコーチの養成を意図しているためか、交替でALコーチ役になる仕組みになっており、その準備のためにALコーチ業務の説明にかなりの時間をとられます。さらに、ALコーチになることをめざしているのか、メンバーとして質問力をあげることをめざしているのかが初心者には分かりづらくなっていると常々思っていたので、今回はALコーチ役はプロの方々に完全にお任せして、メンバーは質問役に徹してもらいました。これにともなって、質問会議の前に全体で行うオリエンテーションも、「問題解決のために良い質問・悪い質問」「どういうときに質問をしづらくなるか」など、質問の効能や良い質問が出るための条件などのディスカッションに絞り込みました。
 もともとBLPは、アクションラーニングの考え方で構成されている(逆に言うと質問会議はアクションラーニングの一形態にすぎない)ので、当日参加した学生たちもBLPは1年間以上受けているので、振り返りの習慣はついており、質問会議の「学習促進」も違和感なく実行できたようです。この点についてALコーチの方々からお褒めをいただけたのも嬉しく思えました。
 受講生にも大変好評でした。朝から夕方までみっちりワークショップを行った後、受講生たちはバスでさらに伊豆へ合宿に出かけて、ウェルカムキャンプと新学期の準備のためにまた密度高く過ごしました。

| | Comments (0) | TrackBack (0)
|

04/19/2009

ウェルカムキャンプ

立教大経営学部では学部開設以来、毎年新入生全員を連れてウェルカムキャンプを開催してきました。開設が2006年4月ですので、今回で四回目です。趣旨・会場・参加者層は前回までとほぼ同様なのですが、今回は現地での行事のマネジメントを学生諸君が全てやってくれました。  他の大学でも新入生歓迎のために一泊二日かそれ以上で旅行に出かけ、その運営一切を学生に任せているところがあるようです。しかしその場合コンテンツは「楽勝科目の選び方」とか「サークルの活動紹介」とか、授業とは関係ないというか、授業の趣旨とはまったく逆のものになっていることも多いようで、それは趣旨もコンテンツも運営も学生団体に丸投げしているからではないかと思われます。
 経営学部の場合は、ウェルカムキャンプで正課授業の一つ(基礎演習)のキックオフを行ないます。これはBLP(ビジネス・リーダーシップ・プログラム)のイントロでもあり、グループワークが中心なので、新入生はこの1泊2日で全員が少なくとも3~4人の親しい友人ができてしまいます。新学期が始まってもこの4人は同じクラスです。この方式の意義を上級生が共感してくれていることがありがたいところで、そのため運営を彼らに任せても学部の教育方針からは全然逸脱しないどころか、むしろそれを徹底する方向でどしどし新企画を考えてきてくれました。例えば、従来は二日目の朝からグループワークを始めていたのをさらに前倒しして、一日目にグループ単位のミニグループワークを行うことでアイスブレークし、それに続いて翌日に取り組むことになるグループプロジェクトのお題解説をしてもらってから解散・就寝です。
 キャンプでのミニプロジェクトの出題と審査はこれまで教員が行っていたのですが、ここでも新機軸。小山俊介さんと河原邦博さんという強力無比なお二人に二日間連続でご来場いただきました。お題は「身近な商品に笑いの要素を付け加えて新商品を作る」。16クラス80グループが提案を競い、予選を通過した8つのグループで行う二日目夕方の全体発表会は笑いの渦でした。

| | Comments (0)
|

04/05/2009

リーダーシップ・アセスメント

今回の出張の最大の目的はリーダーシップを評価する方法についての調査です。San Jose Stateでグローバルリーダーシップのアセスメントセンターが立ちあげられたと聞いたので早速話を聞きに行った次第です。

3361960334_8d1044e30f.jpg

週末にもあちこち案内してくれたJoyce Osland教授が迎えてくれました。Joyceさんとはかなり長時間ご一緒しましたが、他にもこの経営学部のビルで、大勢の人に次々に面談したり授業を見学したり、密度の濃い訪問でした。リーダーシップアセスメントについては、他の授業をも含めて発達中のITを使った手法の多くが使えること、アセスメントの項目についてはリーダーシップ開発論というよりリーダーシップ論そのものの成果を使えること、またこのアセスメントは受講生の成績評価にとどまらず、大学の外部から見て授業の効果を客観的に把握する(逆に言うと大学側から説明する)のにも同時に利用できること等、多くのことを学べました。

その他にも、Blackboardを正式採用しているという学部でも、その実態は、半数くらいの教員しか使っていないことがしばしばあるとか、学生からはBlackboardを使っていないからといって特にその教員に不平を言ったりしないこともあるとか(これは大学によるでしょうけどね)、Blackboardは使いづらいからオープンソースのMoodleの方がいいし教育支援システムでは「Blackboard=神」というのはとんでもないぞとか、いろいろな意見が聞けましたし、また遠来のビジターだからでしょうか、ここではとても書けないようなcollege politicsの話を、わりと気楽にしてくれる人が居ました。

| | Comments (0)
|

San Jose State

San Jose Stateと言えばこの大学(日本風に言えばカリフォルニア州立大学サンノゼ校)のことです。米国の州立大学の呼び方にはいくつかのパターンがあるようです。San Jose Stateの場合はどの州であるかは省いて所在地(市)で言い表す方式で、Kent State(オハイオ州立)とかPortland State(オレゴン州立)とか言うのと同じと思われます。(対照的に、UCLAやUMSLは州名が入っていますね)。地理的にはサンフランシスコに近いのですが、サンノゼの気候はサンフランシスコよりずっと安定し温暖で、キャンパスの緑も南国的です。

3354204873_faaacf14fd.jpg

San Jose Stateは1862年サンフランシスコで創立され、後にサンノゼに移り、西海岸では実は一番古い大学で、カリフォルニア州立大学システム(全23校)に組み入れられたのは1960年代だそうです。

3361152881_2a70cdfa77.jpg その1960年代にSan Jose Stateの名を世界に知らしめたというのがこの事件。メキシコ五輪(1968年)男子陸上200メートル走決勝で、一位と三位になったSan Jose Stateの陸上部学生が、表彰台で黒人差別に抗議するポーズをとったのです。

180px-Carlos-Smith.jpg

この二人の選手(Tommie Smith and John Carlos)の像がSan Jose Stateのキャンパスに建てられています。また、もう一人、メキシコからの移民労働者の待遇改善に尽力した指導者の像もありました。San Jose Stateには、こうした公民権運動支持の顔と、もう一つシリコンバレーと連携する大学、という顔とがあります。

(追記)「UCLAなどと同じカリフォルニア州立大システム」と書いたら、「いやUCLAやUCバークレイは別のシステムだぜ」とご指摘いただきました。San Jose Stateが含まれるほうはこちらのようです。

| | Comments (0)
|

01/10/2009

アクションラーニング

前から気になっていたアクションラーニングについてまとめて体験する機会がありました。12月に日本アクションラーニング協会の講習会を受けて、「質問会議」を体験しました。グループワークによる問題解決はBLPでもよく行っていることですが、意見ではなく質問によって問題を解決していく方法は新鮮でした。ドラッカーが、コンサルタントの極意はタイミング良くいくつか質問できるかどうかだというようなことを書いていた気がするのですが、このことかもしれないと思えました。質問会議は上下関係があるメンバーの会議ではすぐ効果が出そうですし、もしかするとアシスタントがBLPのグループワークに介入する方法を定型化するのに使えるかもしれません。

| | Comments (0) | TrackBack (0)
|

10/20/2008

大学で何をしてきましたか?

ある三年生が「私、部活もサークルもやってないから、就活でゼミのことを話そうと思うんです。でも『ゼミではこれをやった』と短く言えないと困るので、どうしたらいいでしょうか」と相談に来ました。この学生は(とっても優秀な人です)「これをやった」という「これ」は例えば「マーケティング」とか「経営戦略」とかいった経営学の専門分野のことを考えていたようなのです。

Continue reading "大学で何をしてきましたか?"

| | Comments (0)
|

10/19/2008

早い就活と大学のミッション

今の三年生の就活はもう始まってしまったようです。不況の予感から学生のほうが早く動き始めているせいかもしれません。とはいえ年々早まっている様子なので、このまま早期化が続いていけば、いずれ、いったん他社に三年次に内定した学生を四年次で引き抜き合うようなセカンドマーケット(?)ができて、企業・学生学生双方にとって(大学にとっても)とてつもない負担になるかもしれません。
 いったんそうなってから企業(の一部)が自主的な経営判断で高学年のみでの採用に戻るのでしょうか。あるいは政府が介入して、再び採用協定の監視役に戻るのでしょうか。どちらにしても、早期に採用してもあまり良いことはないと企業が自ら気づいてくれることが重要で、そのためには、一人一人の大学生について、二年生から三年生へ、三年生から四年生へと明確な進化・成長があるため、早く採用して引き留めておいたり内定者に対して入社前長期研修を行ったりするより、大学に任せておいて四年次あるいは卒業後に採用するほうがコストも低く良質の人材を見極めてから採用できる、と企業ほか雇用者が納得することが早道でしょう。そう納得してもらうために、大学は何をすべきなのでしょうか?

| | Comments (0)
|

10/16/2008

教育GP

立教に来てから早くも三年半、その間いつも最優先の仕事だった「ビジネス・リーダーシップ・プログラム」が文科省の「教育GP」の対象として選定されました。(経営学部のプレスリリース)(選定された理由とプログラム概要

Continue reading "教育GP"

| | Comments (0)
|

10/15/2008

アッピア街道

フラミニア街道と違って、アッピア街道(古代ではフォロロマーノから出て、南東へ向かい、オリエント方面へ行く港ブリンディシに至る)の市内部分は拡幅していて古代からの道路という面影は全くなく、カラカラ浴場跡あたりから旧道保存地区まで歩くと、とても遠く感じます。

2841836335_db61c33498

Continue reading "アッピア街道"

| | Comments (2)
|

フラミニア街道

ローマから帰ってきてもう一ヶ月経つけれど余韻はまだ続いています。一緒に行ったゼミ生諸君も同様らしく、オンラインアルバムで共有した写真集を何度も見ているようです。5年くらい前と違って、学生諸君も全員デジカメを持っているので、現地で思い思いに撮った写真を、一台のパソコンにが~っと流しこんでみたら三千枚近くあって、そこから重複などを削ってやっと半分くらいまでに絞り込みました。
 宿に着いてからきづいた(というか、前に読んだのを思い出した)のは、古代ローマの二大街道を現代ローマ市もまだ利用しているということです。そのうちの一本は、北イタリアのリミニ(フィレンツェの東北東でアドレア海岸沿い)からローマに向かうフラミニア街道(現在の国道3号線)。この街道がローマ市内に入るのが実は今回の宿のそばのポポロ広場であり、まっすぐ南下して心臓部フォロロマーノに至るのです。(そういえばポポロ広場のある地下鉄の駅の名前はFlaminioです)

このポポロ広場からフォロロマーノまでは、現代の名称では、他ならぬコルソ通りです。

2841621037_cb2efd5aa8


Continue reading "フラミニア街道"

| | Comments (0) | TrackBack (0)
|

より以前の記事一覧