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2017年12月15日 (金曜日)

質問会議の一人二役

早稲田大学職員の1年目研修で質問会議を連続4つ行なって,夕方の休憩時間に受講生から「これ,職場でコーチ無しでやるんですか」と質問を受けました.そのとき私はご質問の「これ」は質問会議のことだと思ったものですから,やはりコーチ役は必要で,内部で養成するか,外部から呼んでくるかしなくてはいけないと答えました.あとで考えてみると,「これ」は必ずしも質問会議のことではなく,質問会議で練習した質問テクをご自分が一人で職場や日常生活で使うにはどうしたらいいかというご質問だったかもしれないと思い至りました.

だとすると私の答は下記の通りです.会議の成果をあげるためには(質問会議と称していない普通の会議でも),問題提示者的なポジション,メンバー的なポジション,ALコーチ的なポジションの人が必要です.どれか足りなければ貴方がそのポジションを担うつもりで質問を開始してください.確率的に最も不足しがちなのはALコーチ役です.皆の関係性に関する質問や,学習についての質問をさしはさむことを試みてください.もしあなたがこのALコーチ役に専念すると,問題解決には加わらないことになります.

また,あなた自身が問題解決に加わりたいときは,問題提示者またはメンバーの役目を果たしながらALコーチの役目も兼任するしかありません.あなた自身がメンバーや問題提示者としていろいろな質問をしながら,ALコーチとしての質問(介入)も時々しなくてはいけないので,忙しいことになりますが,ALコーチ役が誰もいない会議よりはマシです.

もちろん,誰かに尋ねられるまでは「これは質問会議の技法です」と打ち明けたり宣言したりする必要はありません.是非さまざまな場面で(ひそかに)練習してみてください.

なお,参考図書の一つに挙げたエドガー・シャインの『問いかける技法』は,日常生活で使う質問を四つに分類しており,第四の「関係性に関する質問」が,ALコーチの質問にほぼ該当します.

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