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2017年11月 8日 (水曜日)

AOPで始める自炊用パスタ・レシピ2週間分(はじめに):AOPって何?

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AOPとはアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノの勝手な略です。この略し方は実は聞いたことがないのですが、略さないと長すぎて大変なんです。イタリア料理の基本中の基本で、片岡護さんのように、アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノそのものだけで本1冊かかるほど奥が深いのです。これから連載するパスタですと今回の簡単なものだけで9種類、少し凝った食材も含めると11種類、食材繋がりで計15種類も作れます。

私は、全然プロではありませんが、イタリア料理を自分で作って食べるのが大好きです。前菜やパスタやピザや肉・魚料理を、仲間と一緒に作っては飲み食べ、また作るというクッキングパーティを頻繁に主催して、楽しい食生活を送っています。


前菜やメインもそうですが、パスタをいろいろ作り、レシピ本を何冊か読むうちに、ニンニク(アーリオ)と赤唐辛子・鷹の爪(ペペロンチーノ)の味がついたオリーブオイル(オーリオ)(これを略してAOPと呼びましょう)が共通の食材として最も頻繁に登場することに気づきました。そしてこのAOPは、作りおきが可能なので、例えば一週間分これを作っておけば、いざパスタを作るときの始動が俄然早くなり、料理自体もおっくうでなくなるのではないかと考えました。いろいろ試してみたところ、AOPに、ごく一般的な野菜やシーフードなどを足して作るだけで実に9種類のパスタが比較的容易に作れることも分かりました。上のダイアグラムを見てください(クリックすると大きくなります)。楕円のなかに入っている13種類がAOPから作れます。そのなかでも、内側の円にある9種類は、本当に基本的な食材だけで作れます。例えば、AOPがありさえすれば、トマトの水煮缶があるだけで「アラビアータ」が作れます。

AOP+トマトの水煮缶=アラビアータ
AOP+キノコ=キノコのパスタ
AOP+ブロッコリ=ブロッコリのパスタ

といった具合です。しかもダイアグラムが示しているように、いくつかの食材は、複数のパスタにまたがって使えますから、例えば、トマト缶を半分使ってアラビアータを作ったら、残りのトマトを使って、数日後にベーコンや豚バラ肉とタマネギを買い足して「アマトリチャーナ」を作れます。そこでベーコン/豚バラ肉が余ったら、さらに数日後には卵を買い足してカルボナーラも作れます。そんなふうに食材の連鎖を意識してダイアグラムを描いてあります。

このダイアグラムを見れば、一人暮らしで、料理しない日もあったりする人が、冷蔵庫に少数の食材を常備すれば、一週間毎日違うパスタを飽きずに楽しめるんじゃないか。そう思って個々のレシピを書き始めてみたら膨らんで、実は2週間分あります。プロのシェフたちの料理本から学んだところと、自分で工夫したところとが混ざっています。留学中を含む何人もの学生たちから早く書いてくれと催促されて励みになりました。

<なぜAOP作りおきが効くのか>

AOPはオリーブオイル(オーリオ)にニンニク(アーリオ)と赤唐辛子(鷹の爪、ペペロンチーノ)を漬け置きすると常温で5日くらい後から使用開始可能になり、一週間に一回くらいその準備をするだけでずっと共通して使えます。これを励行すると、毎日の工程が10分以上短縮されます。たかが10分とはいえ、お腹が空いて疲れている時に、この差は「料理するのが億劫」を大幅に軽減してくれます。AOPを作りおきしておくと、上にも書いたように、それにほんの1-2種類の食材を使って手を加えるだけで9種類、もう一手間かけると13種類のパスタが作れます。その意味でAOPは原点です。

  オリーブオイルを200ccから300ccくらい、蓋のできる適当な瓶に入れ、ニンニクは(まな板の下とか、包丁の腹とか、肉叩き器とかで)潰した小さいの4カケくらい入れます(写真は150cc瓶でニンニクたくさんなので、3日分くらい)。
  鷹の爪は、そのまま入れるか、あるいはちぎって中の種を捨ててから入れます。種がオイルに入ると、辛みが増すのはいいのですが、あとで種を拾って除去するのが大変で、除去しそこなったときに、できあがりのパスタのスープを飲んだらムセます(笑)。
  ニンニクや鷹の爪の量によって、何日でできるか違うようですが、できたかどうかは手にとって舐めてみれば分かります。ニンニク味ズーン、唐辛子味キーンと来ればできあがり。

Aop_2

  漬け置きでなくその都度に作ったり、漬け置きがなくなってしまった場合には、常温のオリーブオイルを熱して作るのですが、その場合のコツは一にも二にもニンニクと鷹の爪を焦がさないことです。詳しくはこの記事を見てください。 ぶつ切りにしたニンニクを揚げるように味を出すのがいいので、この揚げたニンニクチップも料理に使えるというメリットもあります。
  なお、この記事ではAOPは一週間分を作り置きするのですが、一回で前菜・パスタ・メインディッシュに共通してAOPを使った料理を数品作るときには、最初に共通用AOPを作ってしまうと効率的です。私はよくクッキングパーティをするのですが、そのときも最初の仕事がこれです。


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