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2017年9月11日 (月曜日)

PBLとしての質問会議

講師として招かれて、ゼミ生6人を同行した昨日のFレックス(福井県大学連携プロジェクト)合宿研修会では、質問会議をいつも以上にPBLの中核にはっきりと据えてみました。ふつうリーダーシップ教育は、「リーダーシップ目標を設定して宣言する→リーダーシップが必要な環境に身をおいてリーダーシップ行動を試みる→終わったら周囲からのフィードバックを受けて、振り返る→次のリーダーシップ目標をたてる(以下繰り返し)」というサイクルで回していきます。
この、「リーダーシップが必要な環境」として、高校や大学なら文化祭や部活、さらに数週間の課題解決プロジェクト、企業なら日常業務や横断プロジェクト等を利用できます。ところが、2-3時間程度で完結しなくてはいけないワークショップですと、時間の制約からグループに分かれてゲームをしてもらうことが多かったのですが、ゲームですと、頓智的要素が必要なことが多く、リーダーシップ行動が見えにくい(他のものの陰に隠れてしまう)うらみがありました。今回講演部分と併せて5時間いただけたので、ここに質問会議を入れてみました。

質問会議であれば、例えば「誰もしていない質問をしてみる」、「黙っている人に問いかけてみる」、「問題再定義で『不同意』という」、「問題提示者が自分の初期の問題設定を誤りを認めて、斬新な再定義を言い出す」等々、典型的なリーダーシップ行動を、少し時間をかけて考えたのちに自分のペースで発揮できるのです。そして、セッションのあとのグループ内の振り返りだけでなく全体共有でも、皆さんがいま経験した会議のなかでリーダーシップ行動があちこちにあったことを確認し共有するようにしました。この工夫によって、リーダーシップ開発としての質問会議という考えが皆さんの腑に落ちたようです。

もちろん、質問会議に適した問題(技術的問題ではなく適応的行動が必要になる問題)を用意する、参加者5-6人につき一人の熟達したコーチを用意する、といった周到な準備が必要なのですが、充分な準備時間と主催者のかたがたの熱心なサポートがあったおかげで理想に近い形で実現できました。立教大学と早稲田大学で始まった「学生ALコーチ認定制度」の成果で、認定コーチ4人と認定受験準備中の2人、あわせて6人の学生に同行してもらいました。Fレックスの皆さん、そして学生コーチの皆さん、ありがとうございました。

Fレックス合宿研修会のチラシをダウンロード

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