新しい職場での新学期
早稲田での初めての正課授業を水曜に経験しました(相方は、立教でもご一緒してきた稲垣憲治さん)。「正課」とわざわざ書いたのは、実は大学からの強い要請で昨年秋に、お試しの非正課授業を行っていたからです。そのときは学年の途中でもあったので、職員さんたちが学内の他のプロジェクト型科目の受講生などに声をかけて30人ほどの学生を集めてくれました。単位にならないのに参加してくれた学生たちの意欲はおおむね高く、初めての早稲田での授業からいろいろなことが分かりました(学生の気質の違いなどについては、仮設としてまだ未熟で危険な段階なので今後おいおい書いていきます)。
先週水曜に始まった正課(リーダーシップ開発1:略称LD1)には、初年度なので応募数は決して多くないものの、お試し授業のときよりもさらにリーダーシップそのものに関心がある学生が多く来てくれたような印象を持ちました。これは、プロジェクト型授業であることや産学連携授業であることよりも、これから一人一人に必要な世界標準のリーダーシップを身につけようということを軸に宣伝したからと思われます。このあたりは立教でも経験したことです。つまり、クライアントは有名大企業ですよというような売り込み方をすれば学生は多く集まるのですが、リーダーシップに関心の少ない学生が多数集まってしまって、授業が始まってからその勘違い(まあ教員の自業自得なのですが)を直すのに多くの時間をとられてしまいます。
そもそも何故早稲田がリーダーシップ教育を本格的に始めようとしたかですが、(1)創立150週年をめざした「早稲田Vision 150」で「10年間で10万人のリーダー輩出」をかかげていること、(2)伝統的に早稲田は逆境に強いリーダーを輩出してきた(と自負している)のですが、最近その強みにはっきり陰りが見えてきたこと、(3)もともと「逆境に強いリーダー」を早稲田が生んできたこと自体、早稲田の正課教育の成果というより教室外を含めたコミュニティで自然に生まれてきたものらしいこと。
そこで私に与えられたミッションは、自然発生的なコミュニティに任せるだけでなく教室でもリーダーシップ教育を行い、その際に伝統的なそうしたコミュニティの特質を活用・復活してほしい、ということなのです。つまり立教で11年間やってきたことを早稲田に移植するだけではなくて伝統的な早稲田の強みをも掘り起こして活用し、できればコミュニティ自体も復興せよという欲張りなミッションなのです。
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