新年の抱負の目的と環境づくり
新年にあたって決意や抱負を述べるというしきたりがずっと嫌いでした。どうしてなのか今振り返ってみると、子供のとき父親が元日に「今年の決意」というのを子どもたちに言わせていたのですが、その場がとても重くてお祝い気分をいつも台無しにしていたからなのかもしれません。両親は子供が毎年向上していくことを願ってそういう場を設定したつもりなのでしょうが、決意を述べさせるだけでアクションプランも要求しないし、しかも何のフィードバックもフォローアップもない。もっと嫌だったのは、その場が決意表明というよりは審問ないし査問の場になっていたからではないかと思います。
そうならないための一つの方法は、いま考えれば、両親自ら新年の抱負を述べ、翌年にはその達成具合を(できれば笑いとともに)共有して次の抱負をまた述べて、両親も学習し進化しようとしていることを明示する、つまり率先垂範し、子供の決意表明と行動計画策定を支援することではないでしょうか。それができなかったのは、そもそも新年に決意や行動計画を口に出すことの目的や効果を、両親も子供も分かっていなかったからなのかもしれませんね。リーダーシップ教育を始めてもう10年以上になり、新年の決意の意義についてもリーダーシップ教育同様のPDCAがあてはまることが分かってきましたが、皮肉にも自分の子どもたちに今更そういう環境を提供するにはやや手遅れ感もあります(笑) せめて自分についてはそれを課し、自分がかかわる若い学生たちにもそれを促そうと思います。
・・という長い前置きでしたが、今年は私のキャリアにとっては10年ぶりの大きな転機になりそうです。「全国の大学にリーダーシッププログラムがある状態」がBLPスタッフと私の共有した次のゴールであり、そのゴール達成のための一つのステップとして、私自ら他大学でリーダーシップ教育をゼロから作り始めます。立教で2005年から4年くらいかかった空挺作戦を今度は1-2年で完遂してしまおうという計画です。それとともに、立教は全国の大学・高校のリーダーシップ教育の本部ないし総本山であり続けるために進化を続けることも同様に重要なことと考えています。この両方の作戦のために、非常に忙しい1年になりそうです。また、米国の大学生には最も多く読まれているリーダーシップ開発の教科書であるSusan Komivesさん他著”Exploring Leadership”の翻訳を春に上梓し、自分でも『十代からのリーダーシップ』(仮題)を出す予定です。海外出張は・・今年に限って言えば、昨年までよりは減るでしょう。
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