メリーランド大学のresidential leadership program(その1)
メリーランド大学カレッジパーク校にある1-2年生用の寮Somerset Hallで展開される、CIVICUSという評判のいいresidential leadership programを見学。1-2年生限定で全学部から60人x2の学生を集める。他にも寮があり、このプログラムは小さい方(学生はキャンパス全体で23000人、そのうち約1万人がキャンパスに住む)。community buildingを重視しておりリーダーシップも重点的に教えているのがこの寮の特徴。別にある巨大なhonors programと違って特に成績のいい学生だけを集めるわけではないという。
リーダーシップ経験はかなり外注しており、1つの学期あたり短期長期含めて4つのサービス経験を義務づけている。大学全体の制度であるCAという寮監(通いでバイト。2-3年生が多い。GPA2.0以上)と、CIVICUSの卒業生から選抜されたRAというpeer leader(寮に同居する3-4年生、GPA2.5以上)がcommunityを支えている。ほかの寮でなくここを選ぶ理由としては、親元を初めて離れる学生にとって面倒見のいい寮は敷居が低い。親御さんにとっても同様だという。1年生の最初に寮に入ったときに、同室で兄弟でない人と寝るのが人生初めてという寮生が97%だというので、そこの環境激変をケアする先輩の役割は重要なのだという。人数が少ないこともあって、先輩や同僚との関係が密で、卒業率・満足率はキャンパス全体より10%も高いという。寮内もくまなく見せてもらったが、共通のスペースがたくさんとってあって、勉強も余暇も寮の仲間と一緒にすごせるように工夫してある。120人は全員が顔見知りだと言う(所属学部は全学に散らばっている)
リーダーシップを教えているならILAにいらしたらどうですかと尋ねたら、他の大学寮と共通の寮費をとっているだけで、プログラム費はとっていないのでいつも予算不足で出張費は無いという。州立大学の制約で、プログラム費を徴収できないのが痛いようだ。PBLを導入して法人スポンサーから資金を集めたらどうですかと尋ねたら、それは良いわねとも。1999年のスタート時から責任者だった女性(学生部職員出身)の情熱で成り立っているような印象もある。私自身の経験を話して、もしあなたが病気になったらこのプログラムはどうなりますかと質問したら、それは困ったわねと。succession problemは確実にありそうだった。(同大学図書館にて)
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