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2015年10月19日 (月曜日)

バルセロナでリーダーシップ教育者のキャリアについて考える(その2)

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リーダーシップ教育者のキャリアが多種多様で、リーダーシップ一本で学生のころからまっすぐ来た人なんか滅多に居ないというのがわかったのですが、そのままで放置すると、いろいろな人がてんでに勝手なことを教えているのがリーダーシップ教育の実態になってしまいます。それではならじと教科書も多数出版されていて、Susan KomivesさんらのExploring LeadershipやPeter NorthhouseさんのLeadership:Theory and Practiceがよく使われているようです(お二人ともILAの常連というか重鎮です。Komivesさんは2013年に立教リーダーシップカンファレンスにお招きしました。今回Komivesさんの姿は見かけませんでしたが、実はKomivesさんのExploring Leadershipの日本語訳が進行中で、順調にいけば来春発売です。私も関わっています)。他に、ビジネス界でも有名なKouzesさんとPosnerさんのLeadership Challengeもベストセラーです。

これらの本は学生もすみずみまで読むべきだと思いますが、それとは別にリーダーシップ教育に新しく関わることになった教員用に、教えるというか、クラスをファシリテートするときに何が肝かを実用的にコンパクトにまとめたものがあれば、リーダーシップ教育の普及と標準化のために非常に役立つでしょう。2014年夏に立教リーダーシップカンファレンスにお招きした若手リーダーシップ研究者のDan Jenkinsさんらが発起人になって今年から始まった合宿形式の研修も、そうした試みです。一日めは最小限のリーダーシップ理論。二日目は最小限の(アクティブラーニング的)教授法だそうです。

日本にもこの種の本や研修があっていい時期ですね。いま立教のBLP/GLPには他大学や高校から授業と教員SAミーティングを見にこられるかたが毎週いらしてます。教員とSAが一緒に議論して作る授業のmakingのところから公開しているので注目されているのだと思いますが、現在BLP/GLPを担当している教員でも、リーダーシップ教育経験は最長で10年くらい、最短は1年です。1年のかたでも毎週のミーティングや共同スライドを通じてみるみる勘所を体得なさっていくので、その過程を言語化して、Dan JenkinsさんらのAcademyも参考にしながら、本や研修パッケージの形にできたら、ニーズに応えられるんじゃないかな~と考え始めました。アクティブラーニングと一緒にリーダーシップ教育の初歩もしてみようという教員たちにも有用でしょう。いまBLP/GLPには國學院・成城・武蔵の専任教員のかたがいらしているし、来年度からは早稲田と東大も加わるので、立教を中核に、これらの大学の共同事業として開発できたらさらにインパクトがあるかも。

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