内省とメンタル・モデル
必要あってピーター・センゲの『フィールドブック 学習する組織 5つの能力』を見ていたら、内省(reflection)の定義がありました。曰く「内省とは、考えるプロセスのスピードを緩めて、自分がメンタル・モデルを形成した過程をはっきり意識すること」(邦訳p.211)。じゃあメンタル・モデルってなんだ?というのも念のため書いておくと(これは意外ではないのですが)「メンタル・モデルとは、自分自身や他の人々、そして自分の所属する組織に対して、さらには世の中のどんな事象に関してでも、私達が心の中に抱いているイメージや仮説、ストーリーのことである」
内省という言葉、いつの間にか、ほとんど反省に近い意味で使っていませんか? 自分のメンタル・モデルを形成した過程をはっきり意識すること、という定義は明快で新鮮(これ私だけ?w)。例えばアクションラーニングで新たな「問題の再定義」が起きるのは、問題提示者が自分のメンタル・モデルに気づいた時なので、つまり内省が起きたときですね。そうした内省が、他の人から受けた質問に答えようとしたときに発生することが多いのはアクションラーニングの、そして多分コーチングの想定しているところでしょう。
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