強力なグループ面接方法としての質問会議
最近、新年度のゼミ生選考やSA選考でアクション・ラーニングをやってもらって、そこでの発言ぶり(質問ぶり)を重視している。特に重視するのは、問題解決の時間帯では「効果的な質問ができているか(問題解決)」「関連した質問ができているか(チームワーク)」、振り返りの時間帯では「印象に残る良い質問はありましたか」や「次にセッションを行う時にはどういうことに気をつけようと思いますか」に対する答(学習意欲)。この四点に気をつけるとかなりのことが分かるのではないか。個人面談を10分間するよりも、5人のメンバーと50分のフルセッションを1回するほうがむしろ色々分かるのではないかとすら思う。うちのゼミはアクション・ラーニングの比重が高いし、SAもアクション・ラーニングは必須なので、なおさらなのだけど、それを差し引いても、なかなか効果的な面接方法なのではないか。
ただし、学生とアクション・ラーニング・セッションをおこなうときの盲点は、適切な問題の少なさ。特に、緊急性と、ステークホルダーの多さ(問題の適度な複雑さ)が足りないことが多くて、適切とは言えない問題が実は多い。典型的なのが、1) 留学するかどうか迷っている(ほとんど自分の決心だけの問題で、決心の締切が数ヶ月か一年先だったりする)、2) 嫌なアルバイトを辞めたいが、なかなか言い出せない(言い出せば済む話)、3) 勉強と部活の両立が難しい(両立させるか、片方にするかの二択だよね)など。事前に「あなたが持ってくる問題がクリアすべき諸条件」というのを配って説明してあるはずなのに、「朝おきられなくて困っている」というのを平気で持ってくる学生も居て、困惑したこともありました。こういうときに、学校時代が終わって、ある職業にコミットすることで人はいろんな問題をかかえるのだな、そしてそうなればこそますます学生時代とは違う高次の学習が必要なのだなと改めて思わされます。だから学生のときアクション・ラーニングをやっても無駄かというと、むしろ逆で、問題は牧歌的であっても質問力や学習力はつくので、そこを鍛えておいてから社会人になると、より高次な問題にも立ち向かえるようになって、イイネ!ってことだと思います。
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