緊急性が大切
11月6日(水)アクション・ラーニング協会のグローバルAL講座最終回で、Marquardt博士による講義とセッション指導。どんな問題がアクション・ラーニングに適するのかという基準として、ロナルド・ハイフェッツのadaptive vs. technical problemという区別が役に立つのではないかとMarquard教授に質問したところ、「悪くないが、adaptiveかurgentかどちらかという二者択一になった場合は私ならurgentなほうを採る。というのは、urgentな問題の場合、urgencyはsymptomにすぎず、実は根っこに別の問題が潜んでいることが多いので、それに迫れる可能性があるからだ」という答えでした。確かに、adaptiveであっても緊急でない問題は多いですし、緊急な問題については、それが緊急になってしまったのは何か情報や意志の伝達やコミュニケーションに問題があったために問題の発見が遅れて緊急になってしまった、といういわば人災の面が往々にして強いので「真の問題は別なところにあった」というオチになることが多そうではありますね。
最近WIAL(世界アクション・ラーニング機構)のスクリプトで標準になっている、セッション前に各メンバーが心がけたい(広義の)リーダーシップスキル発揮を宣言し、あとで相互フィードバックする、という方式を今回もしっかり実施しました。この方法はALコーチがますますマルチタスクになるのでALコーチ初心者には難しいかもしれません。また、現場で、ある期間をおいてまたセッションを行うことが分かっている場合は、「今回宣言したリーダーシップスキルの上達について、次回までに何を努力したかを尋ねますよ」と予告しておく等の宿題が効果的であるというtipsもいただきました。
さらに細かい介入テクとして、問題提示者の最初の問題再定義が冴えない場合、"Thank you for the description of the situation (symptom). So, what is the REAL problem?"という強烈なものがあることも学びました(Marquardt教授は、「問題提示者の最初の問題定義はだいたいメモに値しないことが多いね」とすら言っていました)。ALコーチの介入も、このあたりまで来ると、コンテンツに触れんばかりになっているので、あと一歩でファシリテータになるとも言えるかもしれません。
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