コーチングとSBIフィードバック
Coaching Certificate講座は、受講生たちとのディスカッション7割・講師からの講義3割くらいの比率で進んでいた。そのためテキストはかなりすっ飛ばすというか、読めば分かるところをわざわざ説明しない。受講生たちがひっきりなしに手をあげて質問したり経験談を語ったりするので、自然にそうなるとも言える。日本人ばかりの場合は皆講師に気をつかって(および、他の人にどう思われるかを恐れて)決してこうはならないのでは。グループで特定の問題について話してもらってからそれを教室全体で共有するという方式なら日本人も大丈夫ですけど、一人でスパっと手を挙げるという人は学生でも社会人でも少ないですね。 コーチングに使う質問の練習の時間帯があり、アクションラーニングの練習の蓄積を活かしたらペアを組んだ米国人(モーガン・フリーマンみたいな人)に感心された(へへ)。これで思いついたんだけど、アクション・ラーニングの練習をひと通りしたら、質問力だけにフォーカスした練習を、コーチングの教材を使って行う方法を思いついた。日本に帰ったら試してみよう。
アクションラーニングと同様にクライアントを支援することが目的で、質問力が重視されるが、質問の性質・傾向について多少違いがあり、アクションラーニングに比べると少し誘導的なものを許容する傾向があるようだ。ではファシリテーションと同じ方向の質問かというと、また少し違う。逆にある種のコンサルティングとも多少は重なるところがある。より広い「支援」の一つの形だから質問が重要になり、質問の種類が少し違うということなのだろう。 きょうはロール・プレイもあり、コーチング対象のクレイグの役をやる番になって、ちょっと暴れてみてw面白かった。ただ、コーチ役のほうはただしくコーチすればいいので方向性はまあはっきりしているのだが、コーチング対象の社員(でありなおかつクライアント)であるクレイグについては、どのように暴れたらいいのか充分に研究?する時間が与えられず(あるいはそのように設計されておらず)、難しい面もあった。また、他のメンバーたちのクレイグ役としての暴れ方はもっと凄くてコーチ役にあたった私は困惑したが、コーチ役2ラウンド目は多少マシにできたかも。 BLPで節目節目で使うSBIアプローチによる相互フィードバックは、「成績評価には使いませんよ」と明言しているのだが、「じゃあ何のためなのか」と言われれば「お互いの向上のための贈り物なのだ」と説明している。これは実はコーチングなのですね。ポシティブ・ネガティブと言っているのは、コーチングの用語でいうと、reinforcing(もっとその方向でやったほうがいいよ)とredirecting(ちょっと違う方向でやったほうがいいよ)という二種類のフィードバックで、どちらも建設的であることがはっきりするでしょう。なので、コーチング(のうち特にフィードバックのしかた)の技量をあげることが目的でもあるんです、と受講生にも言っておいたほうがいいのかもしれません。
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