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2012年4月の4件の記事

2012年4月 9日 (月曜日)

Maryland大訪問

 4月5日、メリーランド大学第一日。student leadership programの理論的支柱であるSocial Change Model of Leadership Developmentで一番影響力の強いSusan Komives教授に会います。ジョージ・メーソン大学はワシントンDCの西から南に広がる豊かなバージニア州の州立大学ですが、このメリーランド大はDCの東側のメリーランド州の州立大です。メリーランドにはボルティモア市もあり、前日まで行っていたジョンズ・ホプキンズもメリーランド州にあります(ただし私立)。メリーランド大は地下鉄で北東方向にかなり乗って行くので都心から1時間前後かかる郊外です(車なら30分)。駅からは学バスが頻繁に走っていて渋滞もなく小高い丘を登って行くとかなり広い斜面にキャンパスが広がっています。この日まず訪問したのは丘の一番上にあるBenjamin Hall。教育学部(College of Education)の建物です。
 Komives教授は極めて精力的で、BLPの紹介ビデオを見たり、student leadership programをどう日本で活かせるかについての私の質問に熱心に答えてくれました。学生部Student Affairsはメリーランド大のリーダーシップ教育にも凄く重要な役割を果たしていて、例えばリーダーシップ・マイナーは学生部が提供する形になっています(学生が主専攻=メージャーを選ぶ他に、副専攻=マイナーを学生が選択するわけですが、その選択肢の一つに学部を超えたリーダーシップ教育があるわけです)。リーダーシップの科目を教える講師(職員も院生もいる)を学生部で雇用しているわけですし、リーダーシップの科目群も一般教養のように単発ではなくて階段状にたくさんあるので、学生部の規模も本当に大きくて、常勤非常勤を併せると職員1200人くらい。常勤だけでも約700人で、数十人くらいしかいない日本の大学の学生部と比べると巨大です。日本の大学の学生部はどうなっているんだと質問されるので「学生部は学生のスキルを向上させるよりは道徳的に行動するように指導することをミッションとして作られているのだ」と答えておきました。しかし専門知識ではない、スキル系の科目ならば学生部で提供するというのは日本でも悪くない着想ではないかと思います。
 Komives教授と一対一で話して、あっと言う間に一時間半が過ぎ、最後に、近い将来に日本でstudent leadership programのシンポジウムを開きたいのでご都合がつけば日本に来てくださいと頼んでおきました。このシンポジウムのことは私の頭の中にあるだけなのですが、著名な人だけに、早めに頼んでおかなくては始まりませんから。
 この後、Stamp Student Centerを訪問し、学生が学生部の支援のもとに自主的に作っているPeer Leadership Coucil (PWC) のメンバー数人と対談しました (peer leadership coucilというネーミング、素晴らしいですね)。Stamp Student Center(たぶんStampという人が大学史上の功労者か、大口の寄付者なのでしょう)は大きな建物で、一階と二階は食堂と売店、地下には事務室や会議室がたくさんありました。今まで写真は助手のナミッキーが撮ってくれていたので、単身になったこの日は自分で撮るのを忘れ、帰りにバスに乗ってから思い出して急いでiPodTouchで窓から撮ったこの一枚があるだけです。PWCの特徴は、学生部の提供しているリーダーシップ・マイナーとの連携が密で、学生が会の活動でリーダーシプ経験を積むのと並行して、リーダーシップの理論などを熱心に勉強していること、彼らの主催するリーダーシップ学習の合宿がいくつもあることで、それが人気のもとなのか、学内の全学部から応募者が居て、面接や論文で数倍の競争を経ないとメンバーになれないそうです。もっとも、学生部の支援する学生団体でこうした広汎な活動をして、しかも競争率が高いのであれば、履歴書にもきっちり書ける活動なのだろうとも推測します。この日会った4人の学生たちの専攻分野(所属学部)はバラバラですが、一人一人が(当然ながら)リーダーシップに非常に興味をもっているのがよく分かります。
 以上の説明を受けて、最後に、あなたのほうからリーダーシップについて何か教えてくれと頼まれたので、(前にブログにも書いたのですが)日本では決して受けないと思って控えている話をしました。それは、米国の軍隊でのリーダーシップです。軍隊はアメリカ人にとっても階層的で命令型のリーダーシップが発揮されている組織であると思われています。しかし米国陸軍は作戦行動や訓練のあとに、参加者を小隊や分隊の単位で集めて「何がうまく行ったか」「もう一度行うとしたらどう改善したらいいか」について階級抜きで対等に話す機会 (After-action Review, or AAR) を設けているということ(決して「何がうまく行かなかったのか」というふうに議題設定しないのが肝である点はアクションラーニングと同じですね)。さらに、小隊長の役目は部下の自主判断と行動を支援するサーヴァントリーダーであるとすら言われていること。それから、米国海軍で、艦隊の中で作戦行動中に一番エラーが多く離職(海軍を辞めてしまう)率も高いお荷物な駆逐艦に着任した新任の大佐が、ああしろこうしろといきなり命令をしていた歴代の艦長と違って、艦内あちこちを質問してまわって部下の提案や創意工夫を大幅に採用し(結果責任は自分でとり)乗組員の士気が向上してついに艦隊一番の模範艦になったことがあること(マイケル・アブラショフ著It's your ship)などを話しました。軍隊が偉いという話ではなくて、伝統的・階層的組織の代表であると諸君が思っているだろう軍隊においてすら、諸君が勉強しているリーダーシップそっくりのスキルが重視されているんだよ、ということです。AARについて「あ、聞いたことがある」という学生がいたくらいで、すんなり理解してもらえたようです。

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翌日は朝一番から学生部のリーダーシップ・マイナーの授業があったので眠い目をこすって、また行きました。講師はいつも入っている学生部職員に代わってこの日だけ博士課程の院生になったと聞いてちょっとがっかりしましたが、なんのなんの凄い授業でした。教室に行く途中に、金曜は各学部とも授業が少ない日なので学部横断的なこういう科目は金曜日にやらざるをえないが、それでも学生たちは熱心に来ると聞きました。教室は学生部の地下で、設備としては何の変哲もない可動椅子とホワイトボード・黒板の小教室でした。内容は(この回は)組織学習論で、事前の宿題文献を読んできて冒頭にディスカッションし、自分が今まで関わってきた組織で、組織学習が促されていた組織とそうでない組織について書きなさいという小テストのようなことをしていました。これに限らないのですが、講義と隣の学生とのディスカッションを交互に行うワークショップ形式は今回見学した三つの大学の授業でも使われていました。  2コマ連続の授業なので中間の休み時間に学生に声をかけたら、一人が経営学部だというので、「経営学部にはリーダーシップの科目はないの?」と尋ねたら、「一応あるけど、講義だけだし、内容も全然こんなんじゃないし」と言っていました。メリーランド大ではスキルとしてのリーダーシップ、それもpeer leadershipやleadership without authorityの教育は経営学部ではなく教育学部や学生部が主導しているようです。  
 後半は、立教の経営学部の学生ならウェルカムキャンプ以来必ず一度以上は経験済みの「情報カードを配って情報を分有し、口頭だけのコミュニケーションで情報を共有してクイズを解く」というゲームをしていました。経営学部の場合と学生の反応がどう違うかに注目していたら、あまり差はなく、教員側の仕掛けに一工夫ありました。一つは、わざと人数の違う班構成にしてあり、人数が違うことでどういう違いが出てくるかを後でクラス全体で議論すること。もう一つは、班ごとに問題が違うので、隣の班の会話が聞こえてきても関係ないようになっていることです。例によって何か言えということだったので、問題を入れ替えて2ラウンドやったら情報共有やディスカッションの技が向上して、「組織学習」の体験になるのではないかとコメントしたり、前日と同じ軍隊での組織学習やリーダーシップの話などをしました。この日の教員(院生)と、ジョンズホプキンズのoral presentationの授業の教員は、学生への質問の上手さが際立っていたように思います。授業のあとで質問のマニュアルがあるのかと尋ねてみましたが、いやマニュアルは無くて自然に出てくるのだと言っていました。クラスの中ではアジア系の男女二人が発言量でもアイデアの出し方でもかなり目立っていました。帰り際に「ありがとうございました」というので、日本のかたですか!と返したら、いや韓国です、と。日韓英語極めて流暢でした。  

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Johns Hopkins大訪問

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 4月3日、ジョンズ・ホプキンズ大学訪問の初日。朝8:30の朝食会から18:30-20:00の夕食会までびっしり予定が組まれていました。今回訪問する中では唯一の私立大で、授業料が年間3万5千ドルだそうです。学部学生の90%以上がキャンパス内の寮かキャンパス近辺のアパートに住んでいます。今回、最初はバージニア工科大学も全寮制の大学の例として見に行かねばと思っていたが、ジョンズ・ホプキンズも実質的に全寮制なので、ある意味で助かりました(バージニア工科大はワシントンDCからはすごく遠い・・車で3時間以上)。ロンドンのリーダーシップ学会で知り合ったBill Smedickさんが朝8:30に大学そばのホテルまで迎えに来てくれて朝食会でスタート。SmedickさんはStudent Life (Student Affairsと同じ)の職員の身分ながら博士号を持っていて、Engineering Schoolの中でリーダーシッププログラムを11年前に始め、授業が段々増えてきて正規の授業になり、今ではEngineeringだけでなく広くArts and Scienceの学生も選択する人気授業になってきたようです。ジョージメーソン大学や、次に訪問するメリーランド大学にあるstudent leadership programと同じようにLeadership for a Better WorldやExploring Leadershipのような学生用リーダーシップ開発論の本に基づいたプログラムです。その意味では今回訪問する三つの大学は同じ理論にもとづいたリーダーシップ教育をおこなっていると言えますが、リーダーシップと言えば「命令の出し方」のことだと思ったり、「カリスマ」のことだと思ったりする人が結構多いという点はアメリカも日本も同じであることが今回分かったので、「権限のない場合でも発揮できるリーダーシップを身につける」ことを目標にしていると明言しているところを探すと自然に絞られてくるとも言えそうです。ついでに言うと、student leadership programと銘打ったプログラムがある大学は、1980年代には50個くらいだったのが90年代に100くらいになり、2010年には全米で1000を超えた(ILA調査)と言われていますが、その全部が「権限のないリーダーシップ」を主眼にしているかというと、まだまだそうでもない点は注意が必要かもしれません。
 さて、朝9時半から夕方4時まで4つ授業見学が組まれていて、少人数授業なので4回自己紹介し質問を受けコメントを求められ、4時半からのfaculty meetingに行くとそれまで見てきた4つの授業の担当教員4人が集まっていて感想を求められたりBLPの紹介をしたり(といっても皆BLPの紹介ビデオは何度も見てくれていました)ノウハウの交換をしたり、と素晴らしい時間を過ごしました。連れの二人も、段々自己紹介がうまくなってきたり、学生の聞き取りづらい話に対しても質問のツボは外さないなどの進歩が見えました。ただ、授業中に、こちらが学生の表情に注目しているとき等に急に話を振られることもあり、そういうときは三人とも言葉に詰まることもありました。class observationは今まで何度も経験していますが、ほとんど常に何か自己紹介以上のことを言わされますね。

4月4日、Johns Hopkins二日目。学部学生の90%はこのキャンパスに居ます。日本と違って、なんと一斉の昼休みがないんですね。授業間は30分時間があるので、quick biteしたい人は食べられなくはないし、空き時間がある人はそこで食べる。一斉昼休みを設けたせいで食堂が激混みするということがないようになるとか、授業数を増やせるといった考えなのかもしれません。例えば一日目に見た授業の一つは、12時から13:15という普通ならランチタイムの時間帯に開かれる「Leadership theory」。講義が少しあり、事前課題に基づいてグループディスカッションに入る。グループ分けはカジュアルで、よくある机付きの椅子でそれをズルズルと回して近場の人とグループディスカッションしてまた戻す、というくり返し。授業は75分間で週2回か、50分で週3回かのどちらかで、13-14週。
 クリスマスで秋学期が終わり、春学期が始まるのは1月末なので、間に3週間ほどintersessionという期間があります。その期間中に3週間の集中でリーダーシップの授業があります。学期中忙しい人もそこでとって、さらに極めたいと思えば学期中のを取ることもできます。冬休みのこの授業の終わりにBLPに似たコンテストがあって、さきほど書いたのはそのことです。この授業で面白さが分かってリーダーシップの授業を続けてとる学生も多いし、学生リーダーシップ団体に入る学生も多いそうです。学生リーダーシップ団体にとっては、というかリーダーシップ教育自体にとっても、学生のほとんどがキャンパスに住んでいるというのは大きなメリットになっているようです。

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この日は授業見学以外に、学生組織の活動ぶりを紹介してもらい、そこで活躍する学生たちと会って話す時間が2時間もとってあって刺激的でした。ここで最も驚いたのは、ビジネスコンテストに対して卒業生が資金を寄付してくれて、優秀賞に選ばれた計画を学生が実行に移すために使っていることだった。実行部分についても学生が自分の手で行うというところが凄いですね。この日聞いた中では「ブータンやアフガニスタンからの難民が米国に定着すべくガーデニングや農業のノウハウを身につける練習用に農園を開く」というものが光っていました。

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George Mason大訪問

先週までにしっかり打ち合わせしておいたおかげで、4/2はテンコ盛りの充実した一日でした。ミーティングが3つに授業見学が1つ。  ジョージ・メーソン大学は日本ではまだあまり知られていないけれど、非常に急速に大きくなっている大学で、もともとはバージニア州立大学の1キャンパスだったのが独立し、ワシントンDCに近いことが幸いして人気が上昇していて今やバージニア州立大本校を追い越して州最大の大学、そして全米で最も急速に成長した大学に数えられているそうです。なお、George Masonは、大統領にこそならなかったものの米国の建国の父(Founding Fathers)の一人といわれいているバージニア出身の議員で、その人の名前からとったようです。地下鉄の一つの終点Vienna駅からバスで行かねばならないので、通学すると若干不便かも。学生数が増えるのに合わせて急ピッチで学生寮を建設していて、あちこちで工事中でした。現状では学生の6人に1人の割合でキャンパス内の寮に入っている勘定になります。
 一つ目のミーティングはポートフォリオについて。リーダーシッププログラム本体ではポートフォリオは使ってない(!)ので、校長養成プログラム(school leadership program)での事例を紹介してもらいました。

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二つ目はstudent leadership programの理論書の若手執筆者の一人、Julie Owenさん(教員側、写真左手前)とHeather Hareさん(職員側、写真左奥)とのミーティング。Julieさんは非常に明るくて親切で助かりました。二人ともiPad上のBLPの紹介ビデオを食い入るように見ていて、グループワークの場面で「あら私たちのクラスとよく似てるわ」と言っていました。

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続いて三つ目は前のミーティングのそれぞれ上司にあたる、Nance Lucasさん(教員側、写真右から二人目)とPam Pattersonさん(職員側、写真右から三人目)で、ミーティングの雰囲気はやや重厚な感じでしたが、Lucasさんはこの大学や他の大学でいくつかリーダーシッププログラムを立ち上げてきた人なので、学部横断的なプログラムを作ったときの経験についていろいろ話してくれました。ジョージメーソン大学の場合、リーダーシッププログラム(Mason Leads)が教員と職員の共同運営という理念が明確で、長もLucasさんとPattersonさんが二人でco-chair(たぶん合議制)をしているのが特徴です。これはなんだか古代ローマ共和制時代の執政官二人制(カエサルとポンペイウスとか)を連想させますね。古代ローマの場合は共和制に先立つの王(タルクィニス尊大王ら)の専制に懲りた結果の制度設計だったので、まあ似た面があるのかも。ジョージメーソンのこれら全てのアレンジはNick Lennon博士がしてくれました。Nickにはロンドンのリーダーシップ学会で会ったのが縁だったので、これだけでもロンドンに行ってよかったと思いました。彼はAETとして富山に一年間滞在したこともある日本通で、雪や刺身を懐かしがっていました。ジョージメーソン大では教員と職員の共同作業を橋渡しする役目のようで、雇用は職員側なのですが、1コマだけ授業も持っています。


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2012年4月 2日 (月曜日)

ワシントンDCでアクションラーニング

 ワシントンDCで三大学を訪問する旅に来ているのだが、ちょうど、郊外のアレクサンドリア市(バージニア州)にあるASTD本部でアクションラーニング基礎講座があったので、二日間受けてきた。東京でGarry Luxmooreさん(WIAL豪州代表)のグローバル講座を受けてきたばかりだが、今回の内容とダブりは意外に少なくて、今回は企業の具体的な経営問題をアクションラーニングで解決しようとする場合におこりそうな問題とその対処方法を、講師と受講生がともに出しあって議論することに相当の時間をさいていた。講師は当初Marquardtさんの予定だったのが、急遽Arthur FriedmanとJoanna Irvingという人たちに代わってしまい、「あれま」と思ったらこの人たちも極めて優秀なコーチで、刺激的だった。受講生たち(12人)はアクションラーニングがまったく初めてという人が大半だったが、コーチたちの熱心な指導のおかげで、時間が経つにつれてどんどんアクションラーニングにのめり込んでいくのが分かった。二日間終わると、次のステップに行きたいという人が大半だった。  アクションラーニングのセッションそのものは二日間で合計4つだけだったが、ALコーチ役と問題提示者役に志願した。
 12人のうちnative speakerでないのは、一緒に行った同僚の森永さんと私と、ドイツ人女性1名の合計3名だけ。語学的には、実は一般メンバーになるのが一番ハードだということも経験した。例えば一番最後のセッション(二日目午後)では、私の耳には少し聞き取りづらい話し方をする女性が問題提示者になり、近所に犬を放し飼いにしている人がいて迷惑しているがどうしたらいいか分からないという問題を提示した。私は犬のことはまったく分からないので、その犬は大きいのかとか、途中で出てきたanimal controlという役所だかNPOだかは一体何なのか等いちいち質問しなくてはいけなかった。いい加減に聞き流していると問題再定義のときに非常に困っただろう。あとで聞いたら問題提示者の住んでいるメリーランド州は全米で一番犬が多いところで犬のことをよく知らない人などいないらしいw しかもこのセッションのコーチ役の人はファシリテータとALコーチの違いを理解していなくて、しばしばコンテンツに入り込んできてしまうので、一般メンバーである私が質問によってコーチの役目を補完しなければならなかった。
 ALコーチ役は(日本で充分に経験している人なら)皆の表情に気を配って入ればさほど難しくはない。コーチ役に関して今回学んだこととしては
1) 日本語でのALコーチ経験があれば、それが英語に代わっても格段に難しくなるわけではない。極端な話、コンテンツが全部わからなくても、皆の表情を読み、ルール違反に注意していれば、非定例介入も充分できる。
2) LuxmooreさんもFriedmanさんも問題の再定義の一致にはあまりうるさくこだわらないが、Irvingさんは日本式に、二度・三度と再定義の一致を確認するよう指導していた。このように協会の講座を担当するレベルのコーチの間にも多少のやり方の違いはあるようだ。
3) ALコーチの非定例介入の方法の一つとして、黄金の三本組ともいうべき質問セットがある。
a) I noticed xxxx is going on. Did anybody notice that?
b) How do you feel about it? (What is its impact on the group?)
c) What would you like to do about it? 
 これはグループの関係性の問題を、グループに気づかせることで問題解決と学習の両方を促すのに強力な効果がありさまざまな場面で使えそうだ。

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