消費行動とリーダーシップ
徹底的に消費者として行動してきた人は、まずその習慣を払拭するのがリーダーシップの第一歩になる、と何度か書いてきた。しかし消費者でありながらリーダーシップを発揮できる場面はいくらでもある。例えば、ネガティブなほうでいえば不買を自分の中にとどめず周囲を巻き込もうとして不買運動を起こせばそれは明らかにリーダーシップである。また、自分の気に行った商品・サービスが市場にはまだ無いが、自分には作れないので企業に対してこういう商品・サービスを始めたらどうかと提案するなら、それもリーダーシップである。さらに、自分で起業して商品・サービスを提供しようとすれば、それはさらに強力なリーダーシップである。
他人に与えられた商品・サービスのメニューを見て、Aを買いBは買わない、Aを買っていたのをやめてCに移る、あるいは、Aを買ったが不満なので「返品自由」という権利を行使して返品する、といった行動を繰り返しているだけではリーダーシップは育たないのである。選択の自由は、選択の範囲が他人に与えられたもののみであればリーダーシップには繋がらない、と言ってもよかろうか。
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