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2011年12月20日 (火曜日)

Wendy Wagner, What is Social Change?(読書ノート)

Wendy Wagner (2009), What is Social Change? , in Susan Komivez et. al.(eds), Leadership for a Better World.

リーダーシップは「変化」に関するものである。変化をもたらす者のなかに、自分はリーダーであるという意識の者とそうでない者もいる。

この本に書いてあることはビジネスにもあてはまることが多いが、主な想定読者は社会に変化をもたらそうとする学生である。

social changeがcharityと違うのは、(前者が)社会問題のroot causeが何であって、それはどう解決できるかを調べる点である。

social changeはcollaborativeで、カウボーイアプローチ(問題を抱える町に外からカウボーイがやてきて問題を片付けてしまい、町民から成るadminを作ったら去る)ではない。自分の味方を他人に押しつけないことが鍵になる。

social changeは単純ではなく、例えば、「飢えている人に魚をあげるよりも魚の釣り方を教えよう」と言っても「魚の釣り方を学ぶまでの間をしのぐ魚をあげなくてはいけない」。

97-2001の調査のころと違って、学生のあいだのシニシズムは弱まってきて、collective actionの可能性を肯定的に評価している。

social changeに参加する人の動機はさまざま。
a) 自分や家族が経験した問題を解決したいと思ったこと。
b) はみ出し者(marginal)であることが強みを形成して、social change agentになる。
c) making a differenceで満足感を得る。

p.26 social changeに巻き込まれる前からリーダーである人は稀である。social changeのさなかにリーダーになっていくのであり、その意味でsocial change agentはやりながら学ぶことを喜んで実行しなくてはならない。また、初期には影響力が小さすぎて無力感をもつかもしれないが、影響力もchangeを行いながら徐々に拡大するものである。

p.29 陥りやすい間違い
1) 共同体に何かが欠如していて、それを補うのが使命であたら思い込む(deficit-based perspective of the community)こと。他に比べて何かが欠けているからそれを補おうという発想を逆転して、どんな資産を現状で持っているかを考えるほうがいいことが多い。
2) Seeking a magic bullet=quick fixを求めてしまう
3) Ignoring cultural differences
4) Avoiding the potential pitfalls

p.32 Socially resposible leaderhship
メンバーへの責任と社会への責任の両方

p.38 最良のリーダーシップ開発方法は、経験と振り返り。Kolb (1981)によるjornal writing法がよい。
1) concrete experience
2) reflective observation
3) abstract conceptualization
4) active experimentation

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