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2011年8月29日 (月曜日)

働く人の学習と、学生の学習

 中原淳@nakaharajunさんが数冊の著書に書かれているように、学問の道に進まない人でも「学校を卒業したら勉強が終わり」なはずがない。(そもそも社会人という言葉が「もう勉強しない」という含みを持っているのがおかしくて)人はいろいろな形で一生学び続けるはずである。そこで中原さんは企業における(あるいは働く人の)学習の支援をどのように設計したらいいかを議論していくのだが、そこに登場する考え方、例えば「組織学習」「導管メタファーとナレッジマネジメントの限界」「対話による知識共有」「正統的周辺参加」「学習棄却(学びほぐし)」などは非常に魅力的で、むしろこれらは全部、若い人が大学生のうちから経験しておいたほうがいいことばかりではないかと思う。
 若いうちに大学で組織学習・対話による知識共有・正統的周辺参加・学習棄却を経験しておけば、在学中の学問にも(大学教員だってこれらを院生の頃には経験しているはずなのだ)、さらに働くようになってからも(中原さんの言うように)非常に役に立つのではないか。また、組織内でこれらを言い出して実行し繰り返すにはかなり強力で粘り強いリーダーシップが必要であろう。ここでまた例によってリーダーシップの出番なのだが(笑)、現代の企業や社会に必要なリーダーシップは、自ら戦略立案もロジスティクスもこなしてしまうタイプばかりではなくて(そういう人が充分な数居ればいいけれどそうはいかないし環境変化が激しすぎるので一人で何でもこなせない)、自ら日々学習し変容し、組織の学習を促進し、組織内外の他人の考えを(自分の考えでもいいのだが)リツイートするリーダーシップ(高橋俊之さんの命名)なのではないかと思う。また、「対話から学習する」場合、対話の相手には国籍や文化の違う隣人が当然含まれる。
 そういう意味で、大学生を対象としたリーダーシップ開発支援はこれから、就活対策や就業力増進でとどまるのではなくて、在学中も卒業後も一貫し継続して学び続ける、リフレクティブ・リーダーの育成を目指したいと考える。

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