iOS, Lion, そしてジョブズ氏の病
昨日WWDC2011の基調講演でMacの新OS”Lion”やiOS5.0が発表された。“Lion”についてはこちら、iOSやクラウド戦略についてはこちらを見ていただくといいと思う。
基調講演はジョブズ氏の独壇場ではなく、これまで以上に部下に委任されていたようだ。ジョブズ氏も中心的な部分をプレゼンしていて、2011年1月からの「療養」中も重要な戦略的意思決定にはジョブズ氏はこれまで通り参加する、と言っていたのが本当であることを分かりやすい形で示したとも言えるだろう。アップルの株主にとっても安心できる材料だったかもしれない。プレゼンは部下と分担したものの、基調講演で触れられたiOSや”Lion”の設計の基本方針策定にジョブズ氏が関与していたことはほぼ疑いようがない。これは本当に「療養」なのだろうか? むしろ他社の多くのCEOのように、重要なことにだけ関与する、という本来の姿なのではなかろうか。そうだとすれば、「療養」というのは、癌治療であるとともに、ジョブズ氏が、権限を委譲し普通のCEOの職務分担に自己調整していく過程、(昔から言われていたように)細かいことに口を出しすぎるマイクロマネジ病を治療する過程でもあるのではなかろうか。1988年以来のMacフリークの私としては、ジョブズ氏が両方の病から快復することを祈っている。
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