« ハワイのリーダーシップ授業 | トップページ | Blackboardとポートフォリオ »

2010年4月18日 (日曜日)

成績と就活

 リクルートとリンク&モチベーションで新卒採用関係の仕事をされてきた辻 太一朗さんにお会いする。日本の異常な就活をなんとかしたいと本を書かれているそうだ。企業で面接を担当する人を訓練する研修をなさっているときに、いかに面接を工夫しても、学生の資質のうち把握できない要素があるという。それが持続性や成果指向であるという。社会人の場合で言えば「二日酔いで辛いけど、これだけは今日中にやっておかないとまずいだろう」と締切を守る几帳面さがないと仕事の成果が出ない。学生時代でこれに近いのは宿題の提出である。
 企業から見ても、二回や三回の面接で成果指向を測るよりも、大学時代の授業に関係して継続的・反復的に宿題を出させて、その提出率と内容をチェックしていればこれは容易に把握できる。その意味では講義形式の授業の多くのように試験一発の科目の成績よりも、頻繁に宿題が出るような授業の成績が重要なはず。
 就活の異常さの原因の少なくとも一部は、大学時代の正課の成果(成績など)を企業が信用しづらい(従って正課外の活動のことを中心に面接で尋ねるので、別段3年生でもさしつかえない)ことにあるとすれば、ある種の科目の成果データは見るに値すると企業に考え直してもらうことで就活を変えられるかもしれない。まず分かりやすいのは上に書いたように、頻繁に宿題の出る科目での宿題提出率で、これはやや大胆に言えば教科内容とは関係がない。成果指向以外の要素、(例えばリーダーシップの構成要素でいえば過日書いたように「積極性」や「配慮」)を見る必要がある場合には教科内容や授業方式も関係してくるだろう。

|

« ハワイのリーダーシップ授業 | トップページ | Blackboardとポートフォリオ »

01. 教室の内と外」カテゴリの記事

05. Leadership」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 成績と就活:

« ハワイのリーダーシップ授業 | トップページ | Blackboardとポートフォリオ »