日向野幹也の研究室 www.mHigano.com

結論から言うと、電波を強くする方法はありませんから、携帯電話としてのフル機能の一部を諦めて、その代わりに他の携帯電話には真似できない良い使い方を探るということです。なんだよそれ？とお怒りにならず、iPhone 3Gは携帯電話としてよりは超小型MacNetBook+iPodと考えてみてはどうでしょう。（電話じゃないと断言するほどサービスエリアは狭くはないのですが、地下とかはやはり弱いので、超強力公衆無線LAN、というくらいでどうでしょう？）　まず、電話は別に持つ必要があります。私のケースでは、古いauを解約せずに最小料金でiPhoneと一緒に当面使い続けることにします（ここは人によってドコモやPHSという選択もあるでしょう）。他方、MacNetBookなのですから別にMacを携行する必要はなくなり、MacBook Airと一緒に持ち歩いていたイーモバイルのモデムは解約します。

そのように割り切ると、電波が弱いことの対策の趣旨も自然に変わってきます。例えば、iPhoneでは、メールは携帯電話の（いわゆるプッシュ型）eメールではなくgmailのようなパソコン用のメールアドレスのメールを受け取ることが主目的になります。また、グーグルカレンダーやTo doリスト、住所録を読み書きすることも重視します。

圏外に居るときにカレンダー・住所録・To doリストを使うためには、オフラインでも使えるソフトウェアを導入する必要があります。同時にこれは、大切なデータのローカルな（端末上の）バックアップにもなります。すなわち、カレンダー、To doリスト、住所録はネットに接続していないときでも読み書きできて、圏内に居るときに時々自動で自宅や研究室のパソコンと同期してくれるようなソフトウェアを探しました。

幸い、そのようにオンラインでもオフラインでも使えるカレンダー、To doリスト、住所録などのiPhoneアプリは、無料ないし安価で豊富に用意されているので、準備は案外簡単でした。

（１）グーグルカレンダーは、NuevaSyncを介して、iPhone用のiCalと同期。iCalはオフラインでも使える。パソコン上ではiCalを使ってもいいし、グーグルカレンダーを使ってもよい。
（２）To do listはパソコンでもRemember the milkを使っていました。これのiPhoneアプリ版もあるのですが、それはオフラインでは使えません。しかしある人がオフライン版として"Milpon"というのがあるのを教えてくれました（しかも無料です）。とても便利に使っています。
（３）住所録はMacintoshの住所録とiPhoneの住所録はもともとMobileMeを通じて同期されており、Mac版もiPhone版もオフラインで使えます。さらに、上述のNuevaSyncを使うと、これにgmailのcontactsも統合してくれる（らしい）。
（４）上記にあてはまらない自由形式のノートについてはiPhoneとパソコンの両方で、オンライン・オフラインどちらでも使えるEvernoteという便利なノートがあります。iPhoneユーザではないのに「iPhone使っててEvernote使ってないなんて」と私に教えてくれた人がいました。

他に、

（５）Safariでのウェブサイト巡りは、画面を二本指で拡大する機能のおかげですごく快適です。これを利用したオンライン新聞サイトもあり、例えば産経新聞は全紙面が毎日無料で見られます。辞書類も有料・無料、オンライン・オフライン、かなり充実しています。

（６）日本語（英語も）入力は、指をソフトウェアキーボードの画面上でスライドさせる方式が予想以上に使いやすく（従来の携帯のように指の腱鞘炎になる心配もなさそう）、慣れるとものすごい速度で打てるようです。

（７）高機能なiPodとしても使えます。同期も充電もMophie Juice Packをつけたまま可能です。

というわけで、「メインの電話としてはあきらめ、超小型MacNetBook兼iPodとして使う」という見切りができるならばとても快適です。パソコンを持ち歩かなくて済むようになり、荷物がすごく軽くなりました。