アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ
アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ(イタリア語として正確かどうか分かりませんが、ここではオリーブオイルにニンニクと赤唐辛子の味をつけたものという意味で使っています)を作るのに、時間が数日あるときは「ニンニクの漬け置き」 が安全確実です。
しかし漬け置きがなくて、料理のために今すぐ欲しいとき、どうするか? 料理の心得のある人には常識なのかもしれませんが、何度か質問をいただいたので、以下のレシピの(1)から(6)までは初心者向けアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノの作り方、(7)と(8)はそれを使った料理二種です。上の写真は(8)の「タコとポテトの温サラダ」。
(1)ニンニク1~2かけを包丁などで(切らずに)潰します。こうすると香りがよく出ます。ニンニクをみじん切りにするのは高温にならない料理、つまり煮もの系(ホールトマトで煮る等)です。炒めたり揚げたりする料理の場合は簡単に100度以上の高温になりますから、大きいままで潰すだけで使い、ニンニクの味がオリーブオイルに充分出たらニンニクは取り出しておきます。そうしないと焦げて味が台無しになります。
(2)オリーブオイルを多めにフライパンに入れます。多めに入れてアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノを余計に作り、余った分を瓶に入れてとっておくと次回の料理が簡単です。
(3)オリーブオイル(以下、オイルと略称)が冷たいうちから(1)のニンニクを入れます。冷たいオイルにニンニクを入れて数日放置すると同じ味になるのですが、火を使うのはその反応を速めるだけの狙いです。従って予めパンを暖める必要はありません。なるべく長い時間オイルに入れておくことのほうが大切です。底が平らなフライパンならば傾けて、揚げる感じにします。火は中火で(急ぐならほんの最初だけ強火)、オイルの温度が上がってきたら弱火にして、ゆっくり揚げます。この過程で良い香りがしてくれば順調です。くれぐれもニンニクを焦がさないように注意。鍋肌にニンニクが触れたり、温度が上がりすぎると焦げます。
(4)ニンニクがゆっくり揚がって、
(5)赤唐辛子のヘタと中のタネを取り去って、オイルに入れます。このとき火は止めたままのほうが安全です。というのは赤唐辛子はニンニク以上に焦げやすく、焦げるとやっぱり嫌な味になります。赤唐辛子はオイルの中を「泳がす」という感じで、色が黒くならないうちに引き上げます。(赤唐辛子も、今回と違い細かく切って入れるのは基本的に煮る場合だけです。また切り方が細かいと辛みの出方も強くなります。タネも使うとさらに強烈です)
(6)これでアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノのできあがりです。ニンニクも赤唐辛子も引き上げたので、外見は単なるにオリーブオイルそっくりですが、味見すると、しっかりニンニク味と唐辛子味がオイルに移っているはずです。逆に、そうでなければ失敗ですのでやり直してください。
さてここからは多様に応用できます。
(7)パスタの場合
パスタをゆで、ゆであがったら上で作ったオイル(冷えていれば適当に暖めて)を絡めます。このとき、パスタとオイルがイマイチ絡まなければ、パスタのゆで汁を少々加えるといい、というのはオイルを使うパスタ料理(ボンゴレなど)にも共通の技です。さてこれだけでも美味しいのですが、外見がとても寂しいので、使った赤唐辛子とイタリアンパセリをパスタのてっぺんに飾れば、赤・緑・パスタになり、見た目がぐんと良くなります。
イタリアンパセリ無しでやや寂しい図↓
(8)タコとポテトの温サラダの場合
上記オイルをフライパンで暖めておき、そこにゆでたポテトを適当に切って入れます。ポテトは女性なら一人前あたり中サイズ一個もあると充分です。ポテトは冷えると味が急速に落ちるのでゆでるタイミングに注意しましょう。木べらで鍋肌にポテトを押しつけて潰しながら炒め、焼いていく感じです。ポテト全部が茶色になるほど焼く必要はなく、一部茶色になるくらいだとちょうどいい感じです。
大きな鍋でポテトを4つとか5つとか入れる(つまり5-6人前)と結構腕力が必要です。また、鍋はできれば鉄鍋を使うと熱が均一に伝わって、いい感じに仕上がります。炒めあがる少し前に、塩と黒胡椒で味付けします。赤唐辛子がはいっているので、黒胡椒は控えめでも大丈夫のはずですが、ポテトの量が多ければ黒胡椒もかなり入れてもさしつかえないです。最後にぶつ切りにしたタコを入れて混ぜます。個人的にタコが好きなので、上の写真ではたっぷりタコが入っていますが、これほど入れなくても充分行けます。また、上の写真はポテトにまだまだ水分がある感じで、もっと茶色になるまで焼いても美味しいです。
この料理は、日高良実さんのレシピ(写真下)をもとにしています。この本は、だいぶ前にも紹介しました
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