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2008年2月29日 (金曜日)

横からのリーダーシップ

大学の教員同士、とくに常勤の教員同士の関係は、互いに命令する権限がないという意味では上下関係にない。複数の教員のチームで新しいことを始めようとすると、誰にも権限がないのでとってもエマージェントなリーダーシップになる。教授会で誰それと誰それ君やってくれたまえと決まったところで、その代表者たる誰それ君は、代表といってもちっとも権限はなく、それなのに責任をもって教授会に経過と結果を報告する義務だけが発生するのであるから、とってもサーバントなリーダーシップを発揮して実行したり、「影響力の法則」を地で行く交換の秘術をつくして皆さんのご協力をお願いせざるをえない。
 民間企業から大学教員に転じた方々の多くは、教員のこうした関係を見て大抵驚愕する。民間企業の方式が正しいのであると信じて疑わない人もいて悲憤慷慨されるのだが、こうした事情はアメリカの大学でも大差ないことはコリンズも書いている。その意味では民間企業よりも遙かに前から大変フラットな組織なのである。コリンズは勢い余ってか、大学やNPOや社会セクターにおけるリーダーシップこそ権限のないリーダーシップであり、もっとも現代的なリーダーシップであるとまで言う。
 一つ前のエントリーに書いたのを「下からのリーダーシップ」と呼ぶなら、これは横からのリーダーシップとでも言えようか。

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