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2005年8月 2日 (火曜日)

音楽配信

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アップルは今月にも日本で音楽配信を始めると報道されているので、楽しみにしています。iPod Miniが値下げになったのを機に購入して毎日通勤時(特に帰り)に使っているのですが、音楽配信なんか始まったら4GBでは足りませんね・・・

東大GBRCの第一回コンテンツ産業研究会で、UFJ総研の太下義之さんの「音楽コンテンツ産業の近未来〜iTunes Music Storeの次のビジネスモデル」というお話を聞いてきました。

太下さんの理論的主張の一つは、楽曲数が多いのが魅力だというのは、実はオプション価値なのであるということ。実際にダウンロードし聞く曲は数百か、せいぜい数千だろうけれど、総楽曲数が数百万であるということはそれだけで魅力であるのは、潜在的な選択の幅に価値があるから。これは、買う(売る)権利を行使するか行使しないかは分からないが今権利を買っておくことにプラスの価値がある、という金融のオプションと同じですね。

楽曲数が多くなれば、LPやCDのときに発売されないか、あるいは発売されてもやがて廃盤になってしまうようなマイナーな曲もどしどしアップロードされるようになるのではないか、さらに、同じ演奏者の同じ曲でも、ライブの○○年××月□□日分というように細かく差別化しての発売も可能ではないか、と音楽ファンは嬉しくなるような予測や、逆に、それだけ楽曲数が多くなると、多くのアマチュア音楽ファンには選択肢が多すぎるという面も出てくるので、推薦情報への需要もまた増えるだろうという説も研究会メンバーから紹介されていました。その他、太下さんの上記論文にも最新音楽配信関連事情がいろいろ紹介されています。

当日会場で、僕は、日本ではメガヒットが生まれる半面、マイナーな曲は発売すらされないという現象の原因は、実はCDの価格規制(再販売価格維持制度という公認カルテル)の副作用なのではないかとコメントしました。つまり価格規制が無ければ、マイナーな曲も適切な(需給の一致する)価格を市場で得て市場にとどまるのではないか、再販制はマイナーな音楽家を励ます意図もあって導入されたとしても、意図とは逆にマイノリティを抑圧しているのではないか、ということです。

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