東インド会社とMBO
しかし、この頃の東インド会社は完全には有限責任ではなく、有限責任になったのは(英国の場合)17世紀半ば以降だそうで、それとともに出資者の層も不特定多数に広がったようです。今日風に言えば株式公開・上場ですね。
最近日本でも増えてきたMBO(Management Buyout,経営陣による株式買い戻し・非公開化)はこれとは逆で、不特定多数の投資家に口を出されるのを嫌って(雇われ)経営者が株を買い戻し、公開会社であるものを非公開にします。先週はアパレル大手のワールドがこれを行うと発表しました。それだけの資金力が経営者になくてはいけませんが、銀行や証券会社が経営者に資金を貸し出すのが普通です。それだけ経営が安定しているとか、充分な担保があると銀行等が判断するような場合に限られるはずです。
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コメント
日向野教授殿
MBOのご説明につきまして…ひとこと。
MBOは、大会社の連結(非公開)子会社などが、親会社の方針により整理されるような場合に、子会社の経営陣がベンチャーキャピタルファンド(VCF)等の支援を受け株式を買い取り、事業を継続させるケースに利用されることのほうが、多いと認識しております。
当然、この場合のVCFの出口は、株式公開となります。
そうした認識からするとワールドのMBOは、とても異例な事例に思われます。
経営陣が背負う莫大な借入金はどのように返済予定なのか?どんなスキームなのかとても興味があります。
投稿: uma_884 | 2005年7月29日 (金曜日) 18:07
初めまして>umaさん
英国の場合は親会社の方針で整理されるような場合ではないと認識していたのですが、umaさんがおっしゃるように日本ではそれが主流であるなら、ワールドの非公開化は日本ではまだ珍しい、面白いケースということになりますね。僕も続報に注目しますが、また教えてください。
投稿: ひがの | 2005年7月29日 (金曜日) 18:27