さらば都立大
25日は都立大の卒業式でした。4月からはここが首都大学東京のキャンパス(の一つ)になり、都立大は実質的に解体を始めます(夜間部を含めて新2年生が卒業する4年後に完全消滅します)。1983年4月以来、目黒キャンパスで8年間、そして南大沢キャンパスで14年間、気持ちよく働かせてもらいました。優秀な教職員、地味ではあるけれども概ね素直でまじめな学生、それに美しいキャンパス。大好きな職場で、できればもっと長く勤めたかったのですが、都庁の新大学構想と、われわれ経済学COEグループの考えのズレがあまりに大きかった(知事の記者会見の模様はこちら)ため、転出を決意せざるを得ませんでした。同グループ14人のうち11人がこの三月末で辞めます。月末には都内のイタリア料理店でCOEグループの解散記念パーティです。
2月に行われたゼミ生と卒業生たちの会合では、3月に卒業するゼミ生がパーティ用品屋さんで仕入れてきたらしい角帽と黒マント(ガウン?)を僕に着せて、「先生も私たちと一緒に卒業しましょう」と、僕に都立大の卒業免状を授与するという、泣かせる鼻向けをしてくれました。ところが別個にある卒業生が買ってきたMr. Incredibleのゴーグル(?)も同時に装着するになったため、泣けるというか笑えるというか、辛うじて泣かずに済みました。
縁あって4月には立教大学に移籍し、2006年4月に新設される経営学部の出発をお手伝いすることになりました。都立大で特にここ十年ほどいろいろと試行錯誤して何とか方向性が見えてきた「最も広い意味でのcommunication能力を涵養する」ような教育を、今度は立教大学経営学部で試してみたいと思っています。
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コメント
都立大を先日卒業したKCと申します。
4年間でゼミのスケジュール上
日向野先生の授業は受けることができなかったのが
今思うと大変心残りです。。
新しくなる本楽しみにしております。
投稿: KC | 2005年3月29日 (火曜日) 19:14
初めまして>KCさん
新しい本ですが、
ライブドアの件があったので、実は当初の構想を大幅に変更して書き直し中、夏までに出せるかどうかというところです。
投稿: 日向野幹也 | 2005年3月30日 (水曜日) 00:20
日向野先生のサイト、拝見できてうれしく思います。
都立大の写真は何回見てもいいですね。日向野先生の
学生と大学に対する温かい視線がレンズから感じられます。
長男が今年の3月、都立大を卒業しました。今はサラリーマン一年生として汐留に通っています。
立教大学で、新しいお仕事に精力的に取り組んでいらっしゃることと拝察いたします。
息子と大学の解体について突っ込んだ話をすることもなく、終わってしまいましたが何も言わなくても、いろいろ感じ、考えていたことと思います。
娘が、今、早稲田に行ってますが、同級生に都立大をやめて受けなおしてきた男の子がいます。法学部だったそうですが、首都大学に移行するなかで、教授たちがやめていくし、いろいろな騒ぎがいやになってやめる決心をしたそうです。
私は日向野先生とほぼ同年代です。日向野先生が東大に通っていたころ、私は早稲田に通っていました。
立てカン、バリケード、アジテーションが珍しくなかったあの頃からみると、学生はおとなしくなったのかなと思います。
先生の今後のご活躍をお祈りしております
投稿: 曽根 | 2005年12月10日 (土曜日) 08:46
曽根さん
コメントありがとうございます。今も都立大の3年と4年のゼミを担当しています。来年3月にはゼミ第22期生たちを見送りに卒業式に押しかけるつもりです。
近い将来、都民は大学破壊を含む数々の愚かな政策の帰結を思い知らされる気がします。
投稿: ひがの | 2005年12月16日 (金曜日) 10:39