再生ファンド近況/ソニーの新採用方式
(金融メルマガ第35号)
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(2005年1月16日配信分)
再生ファンドについては『南君の金融日誌』第11章でとりあげました。映画『ウォール街』の悪役Gordon Gekkoも再生ファンドになったりハゲタカファンドになったりする買収ファンドのボスでした(敵役のSir Larry Wildmanも同様)。倒産した企業を債権者として、また倒産しそうな企業を株主として買収して、再生の軌道に乗せてから再び売却するのが仕事です。再生のためには厳しいリストラも行います。
日本では官製の産業再生機構が一歩先んじましたが最近は純粋に民間ベースの再生ファンドが多くなっていて、産業再生機構不要論の説得力を増しています。
この記事によれば2003年に比べて2004年は、再生が終わってうまく売却できた案件は、年間件数で3倍、売却金額で10倍に達しているという推計があるそうです。
四千億円という金額だけでは大したことがないようにも思えますが、しかし買い手はソフトバンク、日立製作所、東京電力といった大手企業であることから、産業としての企業再生業の認知度はますます高まったことでしょう。今回買い手となったこれらの企業が、逆に将来自社の事業の一部を切り離して再生屋さんに任せるようなことだってあるかもしれません。
ソニー、内定後2年間いつでも入社・新採用方式導入(1月13日)
大学生や、つい最近まで大学生であった方はよくご存じでしょうが、最近は新卒の採用活動は三年生の秋ないし冬ごろから始まって、四年生の春か夏、業種によっては冬まで続きます。始まりが早いので学生が浮き足だっているし、3年の終わ
りに就活のために期末試験をろくに受けられず、結局卒業できずに内定も取り消しになった、というような笑えない話もあります。
採用活動が三年次から行われることについてはかねてより意見(怒)があったのですが、今回のソニーの新方式は、学生の自由度を高めるという点では一歩前進と思えます。
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