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2004年10月24日 (日曜日)

Googleと西武鉄道

Googleの発表によると、IPO後の最初の四半期決算で見て同社の業績は絶好調で、株価は急上昇し時価総額も440億ドルにまで達しました。8月にIPOを行ったばかりですから業績を云々するには早いと言えば早いのですが、株価がこれだけ上がるのは、一見前時代的とも思えるIR政策の企業としては画期的なことではないでしょうか。

外部の者による企業買収を嫌い、買収者を利するだけの情報公開はしない、と明言しているのですから、創業者たち(現経営陣)を本当に信用するか、あるいは(例えば)内部情報を持っているかでないと投資しづらいでしょう。その意味ではコーポレートガバナンスだの情報公開だのといった言葉が聞かれなかった頃の日本の大企業ともある意味共通しているのかもしれません。しかしわが国の西武鉄道は、上場を維持するために満たすべき基準を満たすために故意にオーナーの持株比率を低く発表し、それが露見しそうになると、インサイダー取引の恐れにも気付かず(あるいは無視して)周囲に株を分散させるという工作を行った疑いを持たれています。これが本当だとすると、投資家に対して「買収屋よりもわれわれを信じてくれ」と訴える率直さに欠けるという意味ではgoogleとは大きな違いがあると言えるでしょう。

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