« 2004年7月 | トップページ | 2004年9月 »

2004年8月の19件の記事

2004年8月31日 (火曜日)

「最低」の企業統治(その3)

google経営陣の異端ぶりはIPO(株式の新規公開)の方法にも現れていた。IPOの伝統的な方法は、投資銀行にいったん株式を全額買い取らせて(アンダーライティング)、売れ残りのリスク(売り出し価格設定ミスやタイミングの選択ミスによって、売り出し中の株式が売れ残るリスク)を負担させ、その見返りにリスクに見合う引き受け手数料を払うというものである。この引き受け手数料が幹事投資銀行の最も大きな収入になる。

ところがgoogleは売れ残りなんてないor売れ残ったら自分たちが引き取るからいい、と思ったのか、この伝統的な方法を拒否して、投資家と直接取引するオークション方式を選んだ。これによって収入の減るのを嫌った幹事証券会社(投資銀行)の一つメリルリンチは、6月に幹事を辞めてしまった。これも異例である。

その後もIPO直前に経営者がインタビューに応じたためにSECが反発するなどの悶着があったが、オークションで成立した価格を上回る流通市場価格で取引され始めたため、オークションで株を買った投資家は早速キャピタルゲインを得たことになる。その意味ではこの異例づくめのIPO自体はひとまず成功だったことを認めないわけにはいかないだろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「最低」の企業統治(その2)

googleの言い分は最近流行のガバナンスに真っ向から挑戦するものとも言える。俺たちの作った企業は買収なんかさせないし、素人は黙って俺たちに任せておいてくれ。そういうのは嫌だという人は増えているらしいが、当社はそれで良いという人だけ付いてきてくれればいいんだ、そうすれば今までみたいな急成長で大きな配当があるかもしれない・・・というのに近いからである。

こんなことをいま日本の企業で公言するところがあったら、マスコミ・経済ジャーナリズム・アナリストの袋だたきにあうだろう。だから腹の底でそう思っていてもgoogleほどはっきりとは言わず、情報開示の素振りくらいはしてみせるのである。しかし日本の企業経営者たちも一昔前はgoogleの言い分と大差ない考えを持っていたはずであるし、もしかしたら今でも本心ではそう思っている人たちも案外多いかもしれない。

そんな考え方を生のままで表明する人がいるところがアメリカの面白いところではある。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004年8月30日 (月曜日)

「最低」の企業統治(その1)

google.png

毎日のようにお世話になっている検索エンジンのグーグル本社(米国)が、8月中旬に新規株式公開(IPO, initial public offering)を行った。創業5年あまりの間に急成長したので投資家の期待度が高く、ハイテク企業としては過去最大額の公開であるという。

しかし、上場各社のガバナンス(企業統治)状態を評価して機関投資家に知らせ、議決権行使の助言を行う会員制の情報サービス会社ISS (Institutional Shareholder Services)社は、グーグルのガバナンスは「最低」水準にあると評価した。経営陣の持っている株に比べて、投資家が市場から買う株式についている議決権は遙かに比重が低くなるように予め設定されている点や、真に独立した社外取締役の比率が引く点などが響いたらしい。googleの創業者・現経営者は、成長のための資金は欲しいものの、ライバルに買収されることを極端に嫌っているようだ。(下に続く)

続きを読む "「最低」の企業統治(その1)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

レクサスな投資信託

名古屋トヨペットが10月にも販売店店頭で証券仲介業を開始するという。証券外務員などの資格を持った係員を配置すれば一般企業が証券仲介業を行ってもいいという今年4月の規制緩和を利用したものであるらしい。あのトヨタが?という疑問に対しては、「資産運用のノウハウがないため、当面は投信や債券の勧誘は積極的には行わない、」とトヨタ自らあっさり認めているようだ。

仮に資産運用のノウハウがあってもダメなのではないかと思う。というのは、イタリア車やイギリス車ならともかく、トヨタ車の買い手は、全ての自動車購買者の中でも最も品質にうるさく安全志向・完全指向である。そんな顧客に、元本割れするかもしれない投資信託など、どうして売れるだろう。ブランドイメージの毀損に直結しかねないのではないか。

既にクレジットカードに進出しているトヨタの次の一手としては、証券仲介ではなくて、住宅ローンやhome equity loan等のほうがまだ整合的と思われる。証券仲介業への参入で金融行政当局に対して実績作りをしておきたいだけかも?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004年8月22日 (日曜日)

デビットカードの日米英独比較

ドイツの消費者の支払い習慣についていろいろ聞き出していくうちに、ゲルトカルテよりもドイツでのデビットカードの普及過程の方が面白く思えてきました。

というのは、ドイツではもともと英米と違って現金の比重が高かったのですが、デビットカードはまず個人小切手を銀行が保証するためのIDカードとして普及したのです。(なお以下の話のうちドイツに関する部分はまだ文献での確認は行っていません)(下に続く)

続きを読む "デビットカードの日米英独比較"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

独ゲルトカルテの現状(その2)

IdsteinParking.jpg

前の記事でゲルトカルテは匿名、と書きましたが、匿名でなくすることもできます。下にある写真で、小生の名前が刻印されているものはパーソナライズした後の、匿名でないゲルトカルテです。(下に続く)

続きを読む "独ゲルトカルテの現状(その2)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004年8月20日 (金曜日)

イタリア携帯電話事情管見

RomanCellphone.jpg

いまやイタリア人は欧米のなかで"best-connected people"つまり最も携帯電話の普及した国民だそうです。emailもかなり使われています。着メロも派手に鳴っています。

写真は、ローマのバールで出会ったZeddaと名乗る右の中年紳士が、新しく買った携帯の機能を、部下らしき左の若者Omarたちに自慢げに説明しているところです。携帯電話自体は花の陰になって写っていませんが。(2004年4月)
(下に続く)

続きを読む "イタリア携帯電話事情管見"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004年8月18日 (水曜日)

金融メルマガ第30号

元の記事の中には各ニュースごとに日本経済新聞の抄録のurlが書いてあったのですが、時間が経ってlinkが切れてしまったので省略してあります。このメルマガは現在も毎月発行されています。申し込みはこちらからどうぞ。(2005年1月追記)

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
【金融メールマガジン 第30号】

日向野幹也(東京都立大学経済学部教授)
url: http://www.ann.hi-ho.ne.jp/higano
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

お盆のためちょっと配信を遅らせました。

まずお知らせです。

●Blog『続・南君の金融日誌』開始
http://blog.goo.ne.jp/mhigano

『南君の金融日誌』は、プチエコーが大企業になった夢のところで終わってしまって、実際に大企業にはなっていません。従って大企業特有の現象(例えば今回のUFJ銀行をめぐる買収合戦)もあまり扱っていませんし、海外進出もしていませ
ん。他にも新しいことが次々に起きているので、それをカバーすべく続篇を書く計画があります。雑誌やメルマガに連載してから本にするつもりなのですが、その準備として、最近半年で仕入れたネタを短いメモにしたものを書きためておく
ことにしました。その方法として、最近爆発的に普及しているBlogを使ってみることにします。匿名でのコメントやトラックバック(逆リンクみたいなもの)もできますので、気軽に読み書きしてください。

http://blog.goo.ne.jp/mhigano

さて、今回はニュースも盛りだくさんです。なんと言ってもインパクトが大きかったのがUFJ銀行の合併合戦でしょう。

●UFJ銀行の買収

これについては多くの報道があるのですが、あまり大きくは書かれていない割には見逃してはならないポイントをさらっておきます。

(1)不良債権処理が遅いとたびたび金融庁から注意を受けたUFJの株価が下がっていた
(2)不良債権を別とすれば、UFJの支店網・スタッフ・顧客層(特にリテール)は競争力を持っていると評価されていた
(3)自前で新しくそうした店舗・スタッフ・リテールの顧客を築き上げるよりも、割安ならばまるごと買ってしまって自陣に加えようと考えるライバルが複数いた

(3)の「ライバル」が国内では東京三菱と三井住友であり、海外ではシティが狙っていたと言われています。UFJの現経営陣は東京三菱との合併を望んでいましたが、株主の意向を重視していなかったので、そこを突いて、高く買い取って株主
に報いる用意があると宣言したのが三井住友の作戦です。三井住友の作戦はこれまでのところUFJ経営陣の意向と裁判所の判断に阻まれて成功していませんが、株主に支持を訴えたという意味では画期的です。東京三菱は慌てて買収にかける費用を上積みすることを発表しました。つまり、

(4)二人(二社)以上が競う大型買収について、買い手・売り手経営陣が売り手企業の株主の意向を気にせざるを得なかった点で画期的

もう一つ、

(5)合併交渉に対して、リアルタイムで裁判所の判断が重大な影響を与えた

この点も今までの日本には見られなかったことです。過去の大型合併については独占禁止法に違反するかどうかについて公正取引委員会の動きが注目された(もし告発すれば裁判所が動く)ことがありますが、独禁法のような公共政策的な問題ではなく、私企業同士の契約内容に踏み込んだ判断でした。

つまり、問題となったのは独占禁止法ではなく、UFJと住友信託銀行が、UFJ信託の買収交渉の独占契約をしていたのに、東京三菱とUFJは信託部門を含めて合併交渉をしているのは契約違反であるとして、住友信託側が東京地裁に訴えたのです。目下、東京高裁は既にもう独占契約の基礎は失われたと判断して、東京三菱に事実上のGOを出しています。住友信託はおさまらず、最高裁に判断を求めており、近日中に結論が出るでしょう。住友信託社長は高裁に対して怒りのコメントを発表しています。

http://headlines.yahoo

●会社法制の大幅変更

株式会社と有限会社の共通点は有限責任制度で、違いは最初の最低資本金額と、発足してからの出資分の譲渡が自由にできるかどうかでした(南君の金融日誌、第4章と第8章)。ところが、最低資本金の額は株式会社であっても当初は1円
でいい、というように規制が緩和され、それが相当の起業促進効果を持つと見られることから、最低資本金規制は廃止することになりそうです。

1円起業の効果
http://www.nikke
http://it.nikkei.
http://www.nikkei

さらに、有限会社を制度として残しておく意味が少なくなったので、新しくできる会社については有限会社をメニューから外してしまうことになりました。

有限会社制度の廃止
http://www.nikkei

そして、有限会社そのものの代わりではないのですが、有限・株式会社のいずれよりも自由度の高い会社制度として「合同会社」を加えることもほぼ決まりそうです。

合同会社制度の創設
http://bizplus.nikkei

記事の中にもあるように、この制度はアメリカのLLC (limited Liability Company) 制度が手本で、出資額と発言権が比例しないような取り決めをしてもよいことになっており、経営に専念する人と主に出資だけする人の分業を積極的
に許容する効果があります。所有(出資)と経営の事実上の分離は永らく株式会社制度の問題点と言われてきましたが、この合同会社やLLCの制度の着想は、分離したら困ると株主が思っているならともかく、分離して構わないと株主が思っ
ているならわざわざ分離しないように法律で縛ることもないのではないか、その方が起業も促進されるのではないか、ということでしょう。

以上は会社を作るときの制度の話でしたが、会社を終わらせる時の「破産法」も90年ぶりの大改正が近いようです。法律の話が続きましたので、これについてはまた別の機会に。

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2004年8月13日 (金曜日)

芝生でビール

meijikinenkan.jpg

屋外でビールやワインを飲める、少しお洒落な店はないものかと嘆いていたところ、ある人が東京・信濃町のM記念館のビアテラスを教えてくれた。

かなり広い芝生に木のテーブルや椅子を並べてなかなか良い雰囲気である。これだけでも都心の屋上ビアガーデンや室内のビアレストランにない魅力充分である。夜10時過ぎまで開いていて、夕方からは入場者の待ち行列ができるほど盛況のようだ。(下に続く)

続きを読む "芝生でビール"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

オーナーはサービスマン

vito1.jpg

イタリアの小さな家族経営の食堂は、サービスマン(給仕、ホール係)が店主のところがかなりあるようだ。おそらく若い頃にボーイボーイまたは料理人として修業した人が料理人を雇って開業するのではないか。シェフないし料理人が一番偉くて、給仕を一段、二段低く見る傾向にあるらしい日本ではなかなか考えられないことかもしれない。

ローマで特に気に入った小さなトラットリアの一つでは、店主がいかにも食いしん坊そうな、味の分かった人(写真・左)で、しかも客あしらいも上手く話術でも楽しませ、他方料理人には気持ちよく仕事させるという、対顧客と対職人(料理人)の両方とのインターフェースに優れた人のように見受けられた。

続きを読む "オーナーはサービスマン"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ローマ式ピザの居場所

RomanPizza.jpg

モチモチ感のナポリ式ピザは、今や日本で大流行の兆しがある。イタリアに本部のある「真のナポリピザ」協会に加盟する日本の店も出てきた。

宅配ピザやシェーキーズのようなピザは、具が乗っている部分が肝心で生地のはじっこなど食べないのが普通だが、それはアメリカンピザの習慣であって、ナポリ式ピザなら生地、それも縁側こそが美味しいのだそうである。(ナポリ式ピザについては渡辺陽一『至福のナポリピザ』NHK生活人新書、が楽しい)さらに最近ではアメリカ式宅配ピザ屋がナポリ式と称するものもメニューに加えるようになってきた。(下に続く)

続きを読む "ローマ式ピザの居場所"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

イタリア・アウトストラーダの料金徴収

イタリアの高速道路Autostradaは元国営でしたが民営化されました。西欧の多くの国が高速道路無料であるのに対してアウトストラーダは国営時代から有料で、日本のような料金所がありました。

最近はテレパスという新しい自動料金徴収システムがあって、これがにわかに脚光を浴びています。というのは、EU全体で「無料」高速道路を維持するのは財政的に無理なので、欧州委員会がEU共通の「有料」高速道路システムを作りたいという意向を示しており、そのため既に有料化されているイタリアのシステムが急に注目されたというわけです。

インタビューして使用状況を見てみると、日本のETCとかなり違っています。車側に積むテレパス装置は小型で手の平に乗るようなものです。ダッシュボードの上に置いて通過すると、自動的に写真(!)を撮って、まとめて後で請求がくる。そして銀行口座から引かれるというのです。クレジットカードは使えません。写真を撮るというのは日本的感覚からするとスピード違反の取り締まりのようですが、彼の地に人々に抵抗感はないんでしょうか。日本のETCをEUに輸出するといった話になってくればまた面白いかも。日本の高速道路は高速道路でユーザから見て不満なところはいっぱいあるので、これを契機に日欧の高速道路でノウハウの交換や提携にまで発展するとさらにいいですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ゲルトカルテの現状(その1)

GeldkarteReader.jpg

ゲルトカルテは、公共交通機関や駐車場で使われている電子現金(e-purse)で、日本でも97年から99年頃にけっこう話題になりました。ドイツ国内では他にネット専用の電子現金がありますが、ゲルトカルテは全国ブランドではそれと並ぶもので、銀行などが出資するEurokartensysteme社が運営しています。

しかし今回見たところ、実態はJR東日本のSuicaが駐車場や一部の商店にも使えるように拡張されたもの、という程度だし、金額も小さいのでなかなか収益事業として成長するのが難しいようです。今回は、結果としては欠点ばかりが見えてしまったという感があります。

しかし各地の見学をアレンジしてくれた現地のドイツ人と親しくなってかなりいろいろ話したこと、それから各地の見学先でこれまたいろんなドイツ人に会えたのが収穫でした。ついでに地元FM局に出演もしちゃいました。(下に続く)

続きを読む "ゲルトカルテの現状(その1)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

アップルワイン居酒屋

applewine.jpg

フランクフルトに近いザクセンハウゼン地区にある、地元民しか行かないような居酒屋に連れて行ってもらいました。ザクセンハウゼンは観光地で、外国人も多いのですが、少しはずれたこのあたりの店にはドイツ人しか来ないと言います。

実際、東洋人は全然いないし、周りは日本人がいだいているイメージの白人のドイツ人ばかり。物珍しそうに僕らのほうを時々ちらちら見ているふうですが、じき皆自分たちの話に夢中になってきて視線を感じなくなります。そうそう視線と言えば、訪れた郊外の銀行Sparkasseの社員食堂でも注目を浴びましたが、そのときはもっと横柄な視線だったので、連れは「あれが誇り高き貯蓄銀行Sparkasseの人たちさ」と肩をすくめていましたが、ここではそういう視線ではありません。

さてこの居酒屋は、木のテーブルに3〜4人がけのベンチが二つで6人から8人席。他の客と相席が当たり前で、我々が着席するとまもなく満席になりました。我々は通路側に向かい合った席で、僕の隣二人はカップル、もう一組は男同士で、ぶつかったら「すんません」くらい言うけど、話に入るわけではないです。店内は日本の居酒屋のようにお客さんの話し声で賑わっていて、「北部出身だから控えめ」を自称する連れと僕では声量で負けてしまいます。

日本では、客同士が肩を組んで歌っている南部のビール祭りみたいなものが紹介されていますが、ああいうことはフランクフルトでは起きないそうです。ミュンヘンを含むもっと南部の方でビール祭りのたぐいが確かにあるのですが、南部の人たちは意外に閉鎖的でよそ者に冷たく、他方北部は控えめで、結果として外国人や他地方の者にも最も開放的なのはケルンとかボンあたりの人だというのが彼の説です。

店内では記憶力・計算力のすごいおばさんが一人きりで、客を席まで案内し座らせ、注文をとって配膳して勘定を計算して数十人の客をさばいています。決済は現金のみ。あれほどポピュラーなデビットカードもここではダメ、クレジットカードもダメ、もちろんゲルトカルテもだめ。料理はまあ家庭料理というか、定番のマッシュポテトほかポテト料理にザウアークラウトがあって、あとはいろいろな肉や魚。

食べ物はだいたい予想通りですが、意外だったのは誰もビールを飲んでいなくて、みんな大きな壺に入っているアップルワインを飲んでいること。そういう居酒屋なのでしょう。別段甘くはなくて、ちょっと変わったワインです。フランクフルターには人気のある飲み物らしいですが、そういえばフランクフルト郊外Trier市の貯蓄銀行Sparkasseで聞き取り調査に応対してくれた中年銀行員F氏が別れ際に「フランクフルトに戻ったらK君とアップルワインでも飲みにいくんでしょ? 俺はあれはごめんだけどね。やっぱビールでないと」と苦笑いしていました。

K氏(左)、F氏(中央)、筆者

VKinTrier.jpg

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ロンドナーのパブへ

ArcheryTavern.jpg

ホテルとハイドパークの間に、地元の人たち向けのパブが一軒があると聞いて、急遽単身で出かけました(2004年3月)。

ニューヨークだったら絶対一人では歩かないような暗い道(なぜか馬糞の臭いがする)を抜けて着いて、えいっと入ったもののやっぱり居心地が悪い。皆グループで来ているか常連のようなのです。飲みものはLonely Planetの教えどおり"Bitter"と頼んだらエールaleを出してくれました。放映されているテレビもクリケットなのでさっぱり分からないけど、他にすることもないのでエールを飲みながらぼんやり見ていると、後ろに一人で来ている人の気配を感じたので話しかけたらこれが正解でした。(下に続く)

続きを読む "ロンドナーのパブへ"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

テスコで買い物

テスコ寿司.jpg

英国スーパーマーケット首位のテスコの典型的と思われる店舗に行って来ました。翌週にテスコのインタビューがあるので、その予習です。ロンドンの地下鉄のHammersmithという終点の駅から200mほど歩いたところにあり、かなり大きい店舗ですが、商品について言えばアメリカのスーパーと大差なく、そう驚きませんでした。いたみやすいはずの鶏のまる一羽が大量に売られているのが目立ったくらいです。日本の普通のスーパーでは鶏もも肉の骨付きすら、おいてあるのはクリスマス頃だけという店が多いのですが。

続きを読む "テスコで買い物"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

英国スーパーの金融・保険サービス

tescoInsurance.jpg

テスコ始め英国の大手スーパーではクレジットカードもデビットカードも当たり前のように使われています。さらに、テスコ等の持っている銀行(子会社)の定期預金や保険も扱っています。レジをATM代わりに使うこともできます。

写真はテスコの店頭にあった旅行保険のイントロパックです。他の買い物と同じようにこのパックをレジに持って行ってPOSを通し、代金を払い、あとで記入して投函するだけです。旅行保険は個人属性による差別化がなく、金額と日数で種類を用意すればいいので、このようなパッケージ化が容易なのでしょう。(下に続く)

続きを読む "英国スーパーの金融・保険サービス"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

スーパーの骨なし鶏モモ肉で蒸し鶏

artificialBone.jpg

一羽まるごとの蒸し鶏ならばダッチオーブンの定番料理です。それをスーパーで普通に売っている骨のないモモ肉で作ってしまうレシピです。準備して小一時間弱火にかけて放っておけばできてしまう点で、他のダッチオーブン料理同様、アウトドアでも(もちろんインドアでも)できる簡単料理です。電子レンジで作る蒸し鶏などとは別世界の味。しかも経済性は抜群です。ブランド地鶏でないノーマルのブロイラーでも信じられないくらい美味しくできます。(下に続く)

続きを読む "スーパーの骨なし鶏モモ肉で蒸し鶏"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

イタリア料理とダッチオーブンの本

hidaka
(1)日高良実『もっとシンプルに スキレットで作る僕のイタリアごはん』(プレジデント社)は拙著でも紹介しました。ダッチオーブンの浅いタイプであるスキレットを使って作るイタリア料理のレシピ集です。初心者向けではありませんが日高氏のポリシーが最もはっきり出ているように思えます。ダッチオーブンやスキレットとイタリア料理というのはすぐには結びつかない組み合わせのように思えるでしょうか? ところがプロ用のフライパンにはもともと厚手の鉄鍋が広く使われているらしく、そうした鍋に重い鉄蓋がついているので応用範囲が広がった、というのが日高氏らのとらえかたのようです。小生もそれにあやかって、ダッチオーブンやスキレットを使ってイタリア料理を楽しんでいます。(下に続く)

続きを読む "イタリア料理とダッチオーブンの本"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2004年7月 | トップページ | 2004年9月 »