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2004年3月の2件の記事

2004年3月13日 (土曜日)

金融メルマガ第25号

元の記事の中には各ニュースごとに日本経済新聞の抄録のurlが書いてあったのですが、時間が経ってlinkが切れてしまったので省略してあります。このメルマガは現在も毎月発行されています。申し込みはこちらからどうぞ。(2005年1月追記)

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【金融メールマガジン 第25号】

日向野幹也(東京都立大学経済学部教授)
url: http://www.ann.hi-ho.ne.jp/higano
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●カネボウと産業再生機構

カネボウの買収合戦については前号で、花王に対抗してユニゾンキャピタルも出てきたところまでふれました。その後、産業再生機構が出てきて、決まりかけていた花王との買収商談が破談になってしまいました。

http://www3.nikkei.co.jp/

破談になった原因としてはいくつか報じられていますが、一つは、花王案のように化粧品とそれ以外を切り離す再生方法に労働組合が納得しなかったこと、もう一つに経営陣も実は花王案以外に本体を温存する方法がないものか並行して探していたところに産業再生機構が現われたこと、などが考えられます。

花王の社長は、ほぼ決まっていた買収を破談にされて不快感を表明する一方で、産業再生機構の計画を厳しく批判していました。産業再生機構が今まで期待されていながら大型の案件を手がけることに成功していない焦りと功名心から無理な提示をしているのではないかと語っていました。また、花王と統合するのであれば花王の化粧品事業とシナジーがあ
るので5000億という提示が可能であるが、産業再生機構であればその金額は不思議であるとも言っていたように記憶しています(この談話はネット版では見あたりません)

その後、閣僚からは産業再生機構に期待する発言が出たりしたのですが

http://www3.nikkei.co.jp

どうして民間から買い手があるものを機構が引き取るのかという根本的な疑問は残ります。さまざまな批判を考慮してか、経営者も経営責任をとって退陣することになり、機構の投入額も5000億円ではなくかなり圧縮されそうです。

http://www3.nikkei.co.jp/kensaku/

「南君の金融日誌」では第11章を見てください。この章に関係するニュースは最近数多いので何度も参照していただいてます。民間でできるようになってくるまで公的機関が繋ぐ、という目的で発足したら、予想外に早く民間が立ち上がってきた、という点は整理回収機構(RCC)にも共通する面があります。


●南君と同業、定番の居酒屋業界関係記事ですが

「牛角」のレインズが「土間土間」拡張へ

http://www3.nikkei.co.jp/
http://www3.nikkei.co.jp/

米国産牛肉のBSE事件で焼き肉屋・牛丼屋・ハンバーガー屋は打撃を受けているようですが、この会社は居酒屋業態との兼営でリスクを分散している面もあるのでしょうか。確かにマクドナルドが牛肉使用をやめるといったら大変なニュースになりますが、焼き肉部門の出店を抑制して居酒屋出店を急ぐという形の転換ならばブランドには傷がつかないのかもしれません。

僕の最近の感想としては、チェーン系の居酒屋は少々の差別化をしてもほどなく飽きられて、経営側としては飽きられないように次々に改装やチェーン再構成を繰り返しているのではないかと思えます(土間土間がそうなのかどうかは分かりませんが)。それはそれでビジネスとして成り立っているのかもしれませんが、もっと長続きする店舗展開を求めるのであれば、これからはスローフードが居酒屋にももっと取り入れられて良いと思います。

スローとは文字通りにファーストの反対で、ゆっくり楽しんで食べるという意味ですが、それ以外に、食材の出所がはっきりしていて信頼できる、従って多くの場合当然に食材は近隣の(モニタリングの効く)決まったところから仕入れるという意味が含まれています。ファーストフードが全国あるいは全世界のどこからでも、とにかく安いところから仕入れる傾向があるのと全く対照的です。

BSEにせよ鳥インフルエンザにせよ、どこから来た分からない食材を食べさせられているということに今更ながら気づいて消費者が不安になっているために騒動が大きくなっているという面がありそうです。


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2004年3月 2日 (火曜日)

2003年度ゼミ生手記

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日向野ゼミで過ごした二年半で、私はたくさんのものを手に入れました。ゼミでは、自分で調べ、考え、それを表現することを特に学びました。日経新聞の読み合わせや、産業調査、卒業論文など、本を読んで勉強するだけでなく、それを教授や他のゼミ生に理解してもらえるように発表するのです。1,2年生までの受身の授業とは全く違うもので、やる気さえあればどんどん成長できますし、勉強する分野も幅広く金融や経済にとどまらず法律にまで及んでいます。日向野先生は常に学生と同じ目線で向き合って下さるので、ゼミの雰囲気はとても明るく、イベントも盛りだくさんです。また、縦・横のつながりがとても強く、特に就職活動の時は、ゼミの先輩方にOBOG訪問をしたり、同期とは情報を交換したりしました。日向野ゼミに入ることによって得た出会いは、これから社会に出てからもとても貴重なものとなることでしょう。卒業してからも日向野ゼミの一員となれたことを誇りに思える、日向野ゼミはそんなゼミです。(木村直美=写真・右端、2004年3月卒業、損保ジャパン勤務)

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