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2003年11月14日 (金曜日)

金融メルマガ第21号

元の記事の中には各ニュースごとに日本経済新聞の抄録のurlが
書いてあったのですが、時間が経ってlinkが切れてしまったので省略してあります。このメルマガは現在も毎月発行されています。申し込みはこちらからどうぞ。(2005年1月追記)

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【金融メールマガジン 第21号】

日向野幹也(東京都立大学経済学部教授)
url: http://www.ann.hi-ho.ne.jp/higano
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●『南君の金融日誌〜居酒屋物語で金融入門』は、すでに編集部や小生の手を離れて、いま印刷中です。12月の最初の週に書店に並ぶはずです。連載の原稿と 比べると、まるごと削った章や、新たに書き下ろした章
があり、各章にリード文が加わったり用語解説や練習問題を挿入したりで、結局三分の一くらい変わっ てしまったかもしれません。短期間に集中して改稿作業をしました。飯塚エディターは最後の方は徹夜状態で、午前3時半に打ち合わせメールをくれました が、小生も負けじと30分後に返事を出し、6時間後には校正ファクスを打ったりしていました。

●来年2月に東京で、『南君の金融日誌〜居酒屋物語で金融入門』をテキストに使って小生が講義する一般向けの短期集中授業を開催します(主催:都立大経済COE、後援:『経済セミナー』・日本評論社)。経セミにも何度か執筆している渡辺隆裕さんのゲーム理論入門シリーズもあります。詳しくはをご覧ください。この講義シリーズについては都内各公共機関でも11月末
から広報が始まります。

●前回のメルマガの配信の後、連載や今度の本で繰り返し説明したような、起業の障壁になるような規制や取引慣行が変わりつつある、というニューズが続々報じられました。

法制審が「会社法」要綱試案、規制を大幅緩和
http://www3.nikkei.co.jp/

1円起業や市町村合併で「印鑑特需」
http://www3.nikkei.co.jp/

プチエコーが株式会社になったとき、南君と京子さん、それに非常勤で多摩さんが役員になっていました。これは株式会社の役員は3人以上という規定がある からで、多摩さんがなってくれたからいいようなものの、もし八王子産業から許可がもらえずに多摩さんが社外取締役になれなかったりしたら、誰か他の人を用意しなくてはならず、一苦労するところです。

50年ぶりという大規模な会社法改正の案の中には、株式会社の役員を3人ではなく1人でもいう規制を緩和することなどが含まれていて、中小企業が積極的に株式会社の形態をとれるように改正する方向で作業が進
んでいるようです。

2番目の記事は、株式会社についてスタート時点では資本金は1円でよいという規制緩和を利用して起業したケースが数百件あったこと、また株式会社の最低資本金額が300万円になったことで会社登記に必要な印
鑑の特需が起きているというものです。

政府、借入時の中小経営者の個人保証に上限
http://www3.nikkei.co.jp/

これも連載で何度か出てきた話で、法律上「有限責任」である有限会社や株式会社の借り入れであっても、中小企業の場合には、社長や役員が個人で会社の借り入れを保証する契約を銀行に結ばされることが大半で
した。このことが既に起業している人には倒産・再生処理を手遅れになるまで先送りさせる要因になり、また起業していない人には起業自体を躊躇させる要因にもなってきたのです。

特に、保証した個人が破産するまで会社の借り入れを負担しなければならな い無制限の根保証は厳しい制約でした。そこで法律を改正して、個人保証をつけるにしても上限を定めるという規制の強化が検討されています。本当は、民間の貸し手の中から「保証なしでも中小企業に貸す」というオファーをしてくるところが出てくればいいのですが、なかなかそれが実現しないので法律で後押し するのだとも言えます。

どういう上限規制がいいのかはこれから検討するのでしょうが、起業促進政策として、規制緩和と規制強化の両方が使われる点も面白いですね。

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