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2003年10月21日 (火曜日)

金融メルマガ第20号

元の記事の中には各ニュースごとに日本経済新聞の抄録のurlが書いてあったのですが、時間が経ってlinkが切れてしまったので省略してあります。このメルマガは現在も毎月発行されています。申し込みはこちらからどうぞ。(2005年1月追記)

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【金融メールマガジン 第20号】

日向野幹也(東京都立大学経済学部教授)
url: http://www.ann.hi-ho.ne.jp/higano
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単行本『南君の金融日誌』はゲラ刷りが印刷所から届いて、いま朱筆を入れています。ゲラ刷りというのは本の表紙やはしがき・目次・索引などを省いた、本文だけの印刷版です。あと10日間くらいのうちに最終の手直しをします。単行本では、連載時と違って、最初の章で起業する展開になっています。

連載中からゲラ刷りまで、20-30代の若い学生・社会人、経済学者、法学者、それに居酒屋業界の話ですから居酒屋経営の経験者、酒販業界関係者、食品 商社マンなど広い範囲の人たちに見てもらって、コメントをも
らっては加筆修正しています。店頭に並ぶのは11月末の予定。次回のメルマガ配信時(11月中旬)には日取りは正確に分かるでしょう。

そういうわけでいま超多忙なので、今回は、一つだけ日経のネット版の記事をとりあげておきます。

「居酒屋大手、新型店展開で顧客広げる」
http://www3.nikkei.co.jp/kensaku/kekka.cfm?id=2003100905152

記事によると「つぼ八」や「ワタミフードサービス」は、それぞれ「つぼ八」や「和民」に続くブランド店を築くために各種新型店の展開にいっそう力を入れるようです。

こうした大手でも次々に新型店を開発していかないと飽きられるんですね。個人で経営している居酒屋では、常連がメニューにない料理を要望し始めたらそれが「飽きた」という信号なのだそうです。

大手チェーンでは、メニューにない料理を注文する客というのはあまり多くないでしょうが、その代わり売り上げの落ちてきた品目をメニューから落とすシステムはいっそう徹底しているでしょう。

半年ほど前に学生たちと偶然(他の店が空いてなかったからなのですが)「つぼ八」に入ってみたら、学生たちが周囲を見回して「普通の居酒屋のように見えますけど、ここのお客さんって中高年が多いんですね〜」と驚いていました。たしかに和民や庄や等に比べれば明らかに客の年齢は上でした。たぶん三十代以上に特になじみのある名前なのではないかと思います。

単行本にも書きますが、この「つぼ八」は、増資を急いだために商社に経営権を握られて創業者社長が追い出されてしまった過去を持っています(その商社も後に倒産してしまいましたが)。つまり急成長するための資金源として「つぼ八」は株を大量に発行しそれを上場して全国ブランドになることを急いだのです。その結果、大株主になった商社が創業者よりも大きな影響力を持つようになったわけです。南君と京子さんも、プチエコーが増資を繰り返して自分たちが最大株主ではいられなくなったときには経営をやめたり、会社を手放したりする覚悟をきめています。

連載では南君と京子さんの間柄も中途半端のままでしたが、この点については学生たちから問い合わせ<笑>が多かったので、本ではちゃんと書き込んであり ます。そしてそれは経営陣の交代とセットになっています。

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