金融メルマガ第19号
元の記事の中には各ニュースごとに日本経済新聞の抄録のurlが
書いてあったのですが、時間が経ってlinkが切れてしまったので省略してあります。このメルマガは現在も毎月発行されています。申し込みはこちらからどうぞ。(2005年1月追記)
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【金融メールマガジン 第19号】
日向野幹也(東京都立大学経済学部教授)
url: http://www.ann.hi-ho.ne.jp/higano
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●産業再生機構・整理回収機構・預金保険機構
いま野球界ではタイガーズの優勝が最大のニューズですが、パ・リーグ首位のダイエー・ホークスの親会社ダイエーが産業再生機構の支援を受けることになり、球団も売りに出されることになりそうです。買い手には宮崎シーガイアを再建中のリップルウッドも名乗りをあげていて、17日朝刊の報道によれば、球団のキャンプ地にシーガイアを使うといった計画を示しているようです。
http://www3.nikkei.co.jp/
http://www3.nikkei.co.jp/
売却して切り離す(球団のような)事業の再生は買い手に任せるのであれば、政府機関としての再生機構は何を切り離すか何を残すかといった大枠を決めるのが仕事になり、今後のモデルケースになるかもしれません。
さて、この再生機構とは別に整理回収機構というのもあり、再生が可能でないような案件、例えば回収不能に近い債権や、担保権を行使して入手した不動産などを、銀行から買い取ります。銀行側としては不良債権の最終処理になるわけです。銀行の不良債権処理が進んでいる最近一年は特に売却が盛んで、整理回収機構と一緒に民間の信販会社や外資系サービサーが入札に参加しています。
http://www3.nikkei.co.jp/
http://www3.nikkei.co.jp/
再生可能かどうかは白か黒かというものでもないので、今後もっと質の良い物件が出てくるようになると両機構の連携が大切になるでしょう。もともと、どちらの機構も買取の資金は預金保険機構を経由して国庫から得ていますから、いわば兄弟関係です。
実は僕はこの夏から預金保険機構・整理回収機構の(不良債権)買取価格審査委員会の委員になっていろいろと勉強中ですので、今後もこれについて書く機会があると思います。例えば民間に買い手がいるときに政府機関が入札に参加することの意味とは経済学的にも大変興味深い問題です。
http://www.dic.go.jp/katsudou/katsudou4-2.html
●前月に続いての料理篇は「蒸し鶏」です。単行本の巻末付録になる予定です。
これはダッチオーブン(蓋付き鋳鉄鍋)の定番料理なのですが、鶏の一羽まるごとか、あるいは骨付きモモ肉が必要、とどの本にも書かれています。これをスーパーで毎日売っている骨無しモモ肉で美味しく作る方法です。
一羽まるごとはスーパーには売っていませんし、専門の肉屋でも2000円くらいします。しかも一番普及しているラッジ(Lodge)社のダッチオーブンでは、日本で一番普及しているらしい10.25インチには一羽はおさまりません。非常に重い12インチか、キャンプ用10.25deepというタイプでないと入りません。また、それだけ苦労して入れても、一番美味しいのは(詰め物をすれば別ですが)モモの部分です。だったら骨なしの安いモモで作れないものだろうか、という着想です。
骨なしモモ肉で作ると、肉の表面が鍋の底や壁に接触する面積が多すぎて焼ける部分が多すぎるのが問題です。そこで接触面が大きくなりすぎないようにもちあげるか立てかければいいはずです。骨つきモモの場合は骨の存在によってそれが自然にできて、丸ごと一羽と同じように蒸し上がります。そこで骨の代わりに木の串を2〜3本刺してやって、それを鍋の壁にたてかけるようにすればいいのです。これは誰に聞いたわけでもなく読んだわけでもない、小生の独創です。
鍋の底に串が引っかかるところがあるとたてかけやすいので、底面より小さな網を敷くとうまく行きます。網は200円くらいで入手できます。またダッチオーブンの鍋底に敷いて焦げを防ぐトライベットというラッジの純正製品も小さな穴がたくさんあり、これに使えます。
この下準備をしておけばあとは普通の蒸し鶏と同じく、30分から40分くらい蓋をして弱火で蒸すだけでできあがります。30分過ぎたら一度蓋を開けて様子を見ると安心です。串を刺してみてスッと通れば中まで火が通っています。丸ごと一羽より当然時間は短めになります。粒入りマスタードや醤油が合います。底にたまった汁は湯で薄めてネギを散らすと良いスープになります。
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