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2003年8月19日 (火曜日)

金融メルマガ第18号

元の記事の中には各ニュースごとに日本経済新聞の抄録のurlが
書いてあったのですが、時間が経ってlinkが切れてしまったので省略してあります。このメルマガは現在も毎月発行されています。申し込みはこちらからどうぞ。(2005年1月追記)

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【金融メールマガジン 第18号】

銀行の新しい機能

日向野幹也(東京都立大学経済学部教授)
url: http://www.ann.hi-ho.ne.jp/higano

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●連載最終回は、「現在価値法による投資決定」と「銀行の機能」でした。このうち今回は銀行の機能について一言。連載に書いたのは消費者相手の小口の金融の新しい形(スーパーマーケットの銀行機能など)でした。企業相手のほうで特にメガバンクは企業再生や起業支援に乗り出しているようです。

三井住友、新株予約権引き換え
http://www3.nikkei.co.jp/

これは決済口座(当座預金・普通預金)を扱っていないノンバンク・証券会社・商社ほか、買収ファンド、プライベート・エクィティ・ファンドでも一応可能な仕事ですので、それだけ銀行の優位は相対的なもので、厳しい競争が待っていると予想されます。プライベート・エクィティ・ファンドは未公開の株式に投資して経営に介入する投資基金のことで、投資先が先端技術系ならベンチャーキャピタルとも重なり、投資先が債務超過企業であれば事業再生ファンドとも重なります。

プライベート・エクィティや再生ファンドについて単行本では、八王子産業が倒産してプチエコーが再生を手伝うかどうか迷うあたりの章で、連載時よりも詳しく説明する予定です。既に出版されている本では、例えば高木新二郎『企業再生の基礎知識』(岩波アクティブ新書、2003)は再生に重点をおいていますが、プライベート・エクィティとの関係などについても分かりやすく書かれています。

●単行本では付録にレシピも載せる予定なので、その一つをここでご紹介してみます。「別の作り方もあるよ」「ここに書いてあるように作ったが美味くないぞ」といったメール、お待ちしています。

【今月のメニュー=アサリのワイン蒸し】

鉄鍋さえあれば、手軽で美味で、白ワインやビールによく合うし、トーストしたフランスパンをこの料理のスープにひたして食べればお腹にもかなりたまります。アサリは年間を通してスーパーで売っていて価格も安定していますし、使い余しても翌日いろいろ使えるので便利です。材料を切り終われば10-15分くらいでできます。数人で食卓を囲んで取り分けながら飲み食いできるものを手早く作りたいときにも重宝です。

<用意するもの>

(a)なるべく厚手で蓋をできる鉄鍋=ワインを入れるときに温度がなるべく下がりにくいほうが美味しくできるようなので、蓄熱性の高いものがいいです。アサリ一層とネギ等ですから、あまり深い必要はありません。空だきするので土鍋はダメです。となると鉄鍋ですね。また、ワイン蒸しにするのでちょうどいい大きさの蓋が必要です。家庭にそのような厚手の鉄鍋と蓋があればそれでOKです。また、連載でもふれた米Lodge社のダッチオーブンやスキレットや南部鉄の鉄鍋は蓋もセットになっていて最適です。仏ラ・クルーゼ社や仏ストープ社のホーロー引き鉄鍋も蓄熱性は高いのですが、空だきや強火が苦手のようなので避けたほうが無難かもしれません。薄手の中華鍋やみそ汁を作るようなアルマイトの鍋は蓄熱性の点でイマイチ、イマニです。

(b)アサリ=大きくて新鮮そうなもの。量の上限は鍋の底面積です。底いっぱいに一層敷きつめるのが上限。重ならないほうがいいです。量の下限は食欲と人数です<笑>。僕が作る場合、27cm径の平底鉄鍋でだいたい40
個(2パック弱)で4〜6人前ですかね。買ってきたらこれをよく洗う必要があります。食べるのは確かに貝殻ではなく身だけなのですが、スープを飲んだりパンをひたすので貝殻が汚れていては気持ち悪いですね。

ボウルやおけの水中で貝殻同士をゴリゴリと摺り合わせると黒い汚れがかなり落ちます。なお、市販の料理本には「アサリは塩水につけて塩を吐かせて」と書いてありますが、今どきスーパーで普通に売っているアサリを使ってもは砂はまず入っていませんので、よく洗うだけでいいでしょう。洗ったらザルなどに上げて水切りしておきます。

(c)ニンニク2〜3片=料理の本で「片」というのは株ではなくて、外側の皮をむいて中に見えてくる、包丁で切らないで分けられる最小単位のことです。 これに対して1株というのは1個100円(国産)とかで売っている直径5センチくらいの全体です。粗みじん切りです。

(d)万能ネギ1束=「うまかネギ」と書いてあることもあります。九州方面では単に「ネギ」というとこれを指すそうです。あさつきでもOKです。外見やサイズ上、初心者はニラなどと間違えないように<笑>。粗みじん切りにしておきます。

(e)パセリ半束=これはみじん切り。

(f)バター20g=10g単位で切れ込みの入っているバターなら2片です。
(d)(e)(f)万能ネギ・パセリ・バターは最初と仕上げに半分ずつ入れます
ので一度に全量入れてしまわないこと。

(g)塩と胡椒適量=塩分はバターにも入っているため、塩はほとんど要ら
ないくらい。従って塩と胡椒が予めブレンドされて同じ瓶に入っている
「塩胡椒」はいけません。

(h)料理用には白ワイン150ccぐらい。料理と一緒に飲むワインで結構。もったいなければもっと安いワインですかね。なお、飲むほうの白ワインはあまり甘いものはこの料理には合いません。最近は千円出せばかなり美味いものがありますね。

(h)フランスパン(バゲット)適量=スープにひたして食べます。薄めに切ってオーブントースターなどで軽く焼いておくとよいでしょう。オーブントースターが無い場合には鉄鍋の蓋を直火で熱して、その上で鉄板焼きの要領で焼くという方法があります。鉄鍋の本体のほうは食卓にそのまま出しますが、蓋はヒマになりますので。

<作り方>

(1)鉄鍋を熱する=これは重要です。かなり熱くなるまで空だきします。鍋本体に手でさわれるようでは全然足りません。使い込んだ鉄鍋であれば煙がかなり出てくるくらい。火は料理完成まで一貫して強火です。鉄鍋料理は他の鍋に比べると中火で全部済むことが多いのですが、この料理は手早く仕上げるといっそう美味なので終始強火です。

(2)バター10gとアサリを入れてかきまぜる。バターだけ先に入れると(1)で鍋を熱してあるのであっという間に焦げてしまいますからほぼ同時にアサリも入れます。

(3)予めみじん切りしておいたニンニクを加え、パセリと万能ネギは用意した半分の量を入れてかきまぜ、ワインと胡椒も入れます。ワインを入れるとジュワっと蒸気が出ます。これでアルコール分が飛んでいきます。入れるワインの分量が重要です。入れすぎると温度が下がりすぎますし、あさりが水没ならぬワイン没してしまって「ワイン煮」になってしまい、「ワイン蒸し」になりません。一層に敷いたあさりの貝殻の一番高い部分が没するかしないかくらいがいいでしょう。

(4)蓋をして中火を続けます。数分したら蓋をとってみて、アサリの大半の貝殻が開いていれば火はとめて、パセリ・万能ネギの残りを入れます。このとき入れるパセリ・万能ネギはほとんど煮ないことになりますが、生のままの歯ざわりや軽い苦みを活かすためです。もし貝殻が開いてなければまた蓋をして少し加熱を続けます。この「数分」というのが5分なのか8分なのか分かりづらいかもしれませんが、(1)の熱し方や材料の分量や火力の強さによるので一度は開けてみて様子を見るしかないでしょう。

(5)バターもう一片を入れると余熱ですぐ溶けます。スープを取って飲んでみて、塩加減を調節します。バターに塩が入っているので塩加減を見るのはバターを入れた後です。

(6)耐熱性の高い鍋敷きがあれば、それをセットして鍋ごと食卓に出します。箸で食べるも良し、一つ食べたらその貝殻を手に持つと、ピンセットというかパスタ挟みのように使って次以降のアサリの身をつまんで食べることもできますし、スープをすくって飲むのにも使えます。フランスパン(バゲット)は軽くトーストして添え、スープにひたして食べます。

たぶん来月は「蒸し鶏」です。

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