金融メルマガ第14号
元の記事の中には各ニュースごとに日本経済新聞の抄録のurlが書いてあったのですが、時間が経ってlinkが切れてしまったので省略してあります。このメルマガは現在も毎月発行されています。申し込みはこちらからどうぞ。(2005年1月追記)
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【金融メールマガジン 第14号】
南君の独立
日向野幹也(東京都立大学経済学部教授)
url: http://www.ann.hi-ho.ne.jp/higano
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ついに南君は独立しました。連載を始める前、あるいは始めてから暫く経ってからでも、ダッチオーブン製造販売で独立するとは予定していなかったのですが。それというのも小生、ダッチオーブンを自分で使い始めてその価値を知ったのがごく最近、昨年暮れぐらいからだったのです。いまでは自宅だけでなく旅先で自炊(というか自炊できるところを選んで宿泊)するくらいハマッています。
●IPO
南君はプチエコーのIPO(新規株式公開)で持ち株が値上がりし、それをはき出してダッチオーブン事業の資金にあてました。IPOで順調に高値がつけば儲かるのはアレンジする投資銀行(証券会社や銀行)も同様です。
http://www3.nikkei.co.jp/kensaku/kekka.cfm?id=2003013006375
IPOが少なかったことが昨年野村證券の利益がふるわなかった原因の一つだと書いていますね。
●社長交代
南君は株の多くを売って大株主でなくなると同時に社長も辞しました。しかし特に大企業の場合、自社株をたいして持っていない社長も少なくありません。また社長と会長が別々になっている会社も多くあります。
http://www3.nikkei.co.jp/kensaku/kekka.cfm?id=2003041006284
イトーヨーカドーは有名な鈴木敏文現社長(同時にセブンイレブン会長)が会長とCEOを兼任し、いまの専務が社長(COO)になるそうです。同時にアメリカの証券取引所への上場をとりやめ、会計基準も日本式に戻すという他社にない決断をくだしました。もともと日本には(取締会の)会長と社長しかなくて、両方を兼任する場合とそうでない場合があったのですが、最近数年でアメリカ流のCEOをおいたり、取締役会と別の執行役員をおく大企業が増えました(しかしその代わりに取締役の数を減らす企業も多く、結局役員減らしだったというケースも少なくないようです)。
●金利
金利が上がるときに債券を持っていると損するというのは連載本文で説明した通りです。
http://www3.nikkei.co.jp/kensaku/kekka.cfm?id=2003040206982
いま長期金利は史上最低の水準です。従って今後金利が上がる可能性は決して小さくないはずです。しかし銀行(特に地方の銀行)は思うような貸出先がなかなか見つからないこともあって国債を買うことで大量の資金を運用しています。その意味では貸出のリスクは取りたがらない銀行でも将来の債券値下がりのリスクは取ることは少なくないとも言えるでしょう。
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