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2003年3月17日 (月曜日)

金融メルマガ第13号

元の記事の中には各ニュースごとに日本経済新聞の抄録のurlが書いてあったのですが、時間が経ってlinkが切れてしまったので省略してあります。このメルマガは現在も毎月発行されています。申し込みはこちらからどうぞ。(2005年1月追記)


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【金融メールマガジン 第13号】

倒産、再生、買収

日向野幹也(東京都立大学経済学部教授)
url: http://www.ann.hi-ho.ne.jp/higano

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●倒産と再生

今号ではプチエコーが倒産してしまい、民事再生法の適用を申請して却下されて、任意整理になりました。現実にもそのようなケースはたくさんあります。逆に、しっかりした再生計画を提出して適用が認められ、みごと再生した企業もあります。最近ではデパートの「そごう(十合)」が好例です。

http://www3.nikkei.co.jp

再生の功労者・和田繁明社長は今度は古巣の西武デパートの再建に乗り出します。また同じくこの記事にも出ている弁護士・松嶋英機氏の書いた『良い倒産 悪い倒産』(講談社)は大変面白い本です。

●買収ファンド

自動車用金型世界一のオギハラは一時買収・投資ファンドのリップルウッドと出資(増資分株式の買い取り)交渉をしていましたが、これが決裂しました。創業者一族がリップルウッドに反発したとも言われています。他方、大和SMBCとの交渉は成立しました。オギハラは将来上場をめざすと報道されており、連載で説明したような企業成長の典型とも言えます。

http://www3.nikkei.co.jp/


リップルウッドは投資・買収・再建ファンドとしては世界最大手ではないのですが、日本企業への投資では目立っています。長銀(新生銀行)・宮崎シーガイアなどもそうです。もっと最近では英ボーダフォンが持っていた日本テレコム株を買い取っています。(ボーダフォンは日本テレコム株を売って固定電話事業から撤退し、あとはJフォン株保有で携帯に特化しています)

http://www3.nikkei.co.jp


●ダッチオーブン

この分野でいま業界首位の米国ラッジ社(Lodge Inc.)がシーズニング済みのシリーズを売り出しました。鋳鉄の鍋は油を塗って焼いたり揚げ物を繰り返して表面に黒い被膜を作っていく必要があります。そうしないと料理が焦げ付いたり、鉄鍋自体が錆びたりして困ったことになってしまいます。この黒い被膜を作る作業のことをシーズニングといい、面倒でもあり趣味としては楽しみでもある(らしい)のです。しかしシーズニング済みの製品は買ってきてすぐ使える、慣らし運転不要の初心者向けの製品なわけで、いよいよこの製品の普及期になってきたことがうかがえます。おそらく今後はこれが主流になっていき、「昔は一つ一つ自分でシーズニングしたもんだ」というのが昔話になりそうな気がします。日本製のダッチオーブンは東北地方の南部鉄のメーカーが数社出してい
て、日本古来の漆の焼き付けという方法でさび止めをしていたのですが、この米国新シリーズが強敵になるかもしれません。

日本ではダッチオーブンはまだキャンプ場での料理道具という使われ方の方が目立っているようですが、今後は「プロも使っている鋳鉄鍋の一種」「火の通りがよく鉄分補給にもなり美味しい料理のできる鍋」という位置づけで、もっと台所で使われるようになっていくと思います。例えば、長いブームの続くイタリア料理についても、このダッチオーブンの弟分である浅型パン(ラッジの製品ラインでは「スキレット」と呼ばれます)で作ることを意識した本も出ています。(日高良実・菊地仁志著『もっとシンプルに スキレットで作るイタリアごはん』プレジデ
ント社) これは写真も美しく文も楽しく、気に入ってます。


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