金融メルマガ第12号
元の記事の中には各ニュースごとに日本経済新聞の抄録のurlが書いてあったのですが、時間が経ってlinkが切れてしまったので省略してあります。このメルマガは現在も毎月発行されています。申し込みはこちらからどうぞ。(2005年1月追記)
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【金融メールマガジン 第12号】
「上場」という節目
日向野幹也(東京都立大学経済学部教授)
url: http://www.ann.hi-ho.ne.jp/higano
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●今月の連載で紹介した「つぼ八」の話は、創業者石井誠二氏の書き下ろし『居酒屋の道』(小学館文庫)によっています。縄のれん・おやじの演歌ワールドだった居酒屋を、若い人の明るいスポットに変えたのは実は「つぼ八」だったので、その当時(昭和50年代)学生だった僕には特に印象的でした。この本の中には後の「和民」社長も登場します。
われわれにとっての本題の、「上場のために増資したために創業者の持ち株比率が下がってしまう」現象は、「つぼ八」の場合は商社の「伊藤萬」の持ち株比率上昇と表裏一体だったので、やがて石井社長は社長の座を追われてしまいます(なお「石井館長」とは別人です。念のため<笑>)。
アップルのジョブズの話も、いろいろな伝記・業界本になっています。ジョブズがペプシコーラのスカリーをスカウトしたときの殺し文句「あなたは砂糖水を売って一生を終えるんですか?」は業界ではかなり有名です。
居酒屋ではありませんが、フランス料理店の「ひらまつ」がジャスダックに3月に上場します。
http://www3.nikkei.co.jp/
ミシュランのレストランガイドで星一つを獲得したようで、それと上場を機に出店を加速する、ということのようです。
アメリカのマクドナルドが「上場以来初めて」の赤字だった、というニューズもありました。
http://www3.nikkei.co.jp/
「上場以来初」という表現があるように、上場は大きな節目です。
飲食店ではありませんが、話題の本の多い幻冬舎http://www.gentosha.co.jp も上場しました。
http://www3.nikkei.co.jp/
このケースのように人気が出ると、上場以前から株を持っていた、(おそらく少数の)人々は大きなキャピタルゲイン(値上がり益)を得ることになります。
●今月号では挿絵にまで登場した「ダッチオーブン」ですが……いま日本のキャンプ場では大人気だそうです。僕自身は今のところ日本のキャンプ場でのキャンピングには興味がなくて、庭やスポーツサイトの横で食材を入れて弱火にかけておけば1時間後に料理ができている、というような「適度な」野趣に惹かれています。
業界老舗で最大手なのが米Lodge社です。しかし買ってみると実は昔懐かしい鋳鉄の鍋で、岩手県の南部鉄器のメーカーも何社か少量ずつ生産しているようです。重い鋳鉄の蓋がついているので、圧力鍋のような効果があり、また蓋の上に炭火を載せれば天火すなわちオーブンの効果もあります。これについてはまた来月。
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