ゼミについて(日向野)
大学生の就職活動が年々早くなってきて、最近は三年生の冬に始まっています。企業が三年生向けにセミナーや説明会をその時期に設定してしまうからです。就活は約半年、四年生の夏ないし秋頃まで続きます。
授業担当者としては出席率が悪くてやりづらいのですが、それ以上に、大学の教育が軽く見られていると歯がゆい思いです。つまり、大学の最後の十数ヶ月(あるいは四年間?)で学ぶものなんて大したことないだろう、と企業の採用担当者がたかをくくっているフシがあるからです。
私は学生たちを鍛えて企業や役所を見返してやろうと決めました。都立大の学生はひと味違う、だから大学生は勉強を終え卒業してから選考したほうがいいかもしれない、と企業や役所が考え直すまで、鬼教師でいるつもりです。
幸い、既に手応えは出てきています。試験の成績よりも、むしろあるテーマについて自分で調べ、書き、自分の言葉で発表し、ディスカッションする、そうした力をつけた学生ほど就職も順調です。その力こそゼミで培われるものです。これと並んで(筆記試験や成績に表れる)講義中心の専門科目の知識があればまさに鬼に金棒というものです。
そのような考えにたって、当ゼミでは毎年新しいプログラムを組んでいます。コーポレートガバナンス、IT、金融などが最近の主な材料ですが、必要とあらば民法・商法・会計学などにも手をのばします。法学部からのゼミ参加者も受け入れています。例年、経済学部では二年生の11月頃に翌年度のゼミ生が内定しますが、このゼミでは内定後12月から直ちに三・四年生とまざって勉強してもらいます。それからの1年間は、メール(メーリングリスト)やウェブサイトも駆使してかなりハードに勉強することになります。
そういう厳しい勉強に耐えるには、一緒に頑張れる仲間が必要です。このゼミで二年余り猛烈な勉強をこなすうちにゼミ生たちはほとんど戦友?のように結びつきが強くなるようです。卒業してからもお互いに連絡を絶やさず、ゼミの飲み会やOBOG会、さらには合宿にも顔を出して後輩たちを励ましてくれます。まだまだ未熟な鬼教師ですが、熱心な学生たち・OBOGに助けられていると思うことしきりです(2002年3月)
つれない二人
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