カテゴリー「09. Sports」の7件の記事

2015年10月25日 (日曜日)

Virginia Tech honors residential program (その2)

ここの学生寮のうち学習効果重視のものは、寮(dormitory)と言わずに敢えてresidential hallとか、residential learning communityと言うようだ。その運営については、私の用語でいえば、「洗練された消費者になるのではなく、リーダーシップを発揮する」ことを仕向けるような種々の工夫がされている。例えば、1) RA(resident advisor)が居るが、彼らには指示する・教えるのでなくメンターやコーチとしての立ち位置をとれるような訓練をする、2) RAに対して(消費者として)不満を言うだけで終わらせず提案し実行することを促す。そのためにRAとは別に自治会をおく(ここは大学紛争の苦い経験から導入をためらう大学も多いだろう)。3) (これは別の方向にも作用しうるが)hallへの入居は2年契約とする。 4) 学生発の企画提案は歓迎するが、その参加は学生には強制しない。

2)については、つい先週に、GPAが不振で、本来の規則では退寮しなくてはいけない学生が発生したのだが、学生たちの投票で、規則に「自治会活動でリーダーシップを発揮したと認められる学生については例外を設けることができる」という附則(amendment)の追加が提起されたそうだ。このプログラムを統括する教授(同じresidential hallに家族全員とともに住んでいる)に「その決議、歓迎するんですか」と水を向けると「実はいろいろ考えているところだ」という。RAもそうだが同居する教員も、リーダーシップを体現していて生涯にわたって学習をつづけるような人である必要があるかもしれない。

フットボールは、生で見るのは実は初めてだったが、非常に面白かった。特に、テレビではあまり映らない縦方向がよく見えるゴール後ろだったので、QB(怪我から復帰したばかりで本調子でないらしいMichael Brewer選手)の動きや躊躇がよく分かる。Virginia Techはここまでリーグ戦3勝4敗で、「きょうのDuke大学(ノースカロライナ州)戦を落とせばVirginia Tech (VT)は地区優勝にはirelevantになるだろう。最近Virginia Techホームの観客は、リードされるとsourになる傾向があるので序盤が大切だ」と地元紙に書かれていた。それなのに序盤に2つのタッチダウンで7-14とリードされ、一時追いついたものの逆転できず、4度の延長戦のすえ、2点差で負けてしまった。


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2013年12月17日 (火曜日)

テニス部員のリーダーシップ研修

昨年に続いて立教大学テニス部員・立教新座高校・池袋高校テニス部員を対象にリーダーシップ研修を行なった。チームスポーツであれば「権限のないリーダーシップ」が無いと勝てないことは分かりやすいのだが、テニスのような1-2名単位の競技でも、大学のように団体戦の比重が高い場合や、また平素の練習の効果や長期にわたる士気の維持のためを考えるとリーダーシップが必要であることは、私がテニス部長顧問に就任してから強調して、徐々にテニス部員やOBOGにも浸透し始めている。

そこで今回は冒頭で、部員たち個人個人の将来にとっての体育会の新たな意味も追加して説明してみた。体育会は従来から2つの意味で企業に似ている。一つには成果目標が明確であること。企業であれば利益をあげねばならないし体育会であれば勝たねばならない。もう一つには上下関係がはっきりしていることである。大学の中で上下関係がはっきりしているのは体育会と職員組織であるがその点は体育会のほうが上かもしれない。体育会の厳しい上下関係の中で、権限のないリーダーシップを発揮しようとすると、企業組織の中において部下が上司に対してリーダーシップを発揮するのとほぼ同様の障害に直面する。すなわち、リーダーシップとは適切な指示・命令を出すことだと思い込んでいて、さらに悪い場合にはその指示・命令が適切でないこともあるにもかかわらずその自覚がなく、当然ながら部下(下級生)の、権限にもとづかないリーダーシップを、自分に対する非難や組織に対する反抗とうけとめるような上司(上級生)の存在である。これを防ぐには、上司(上級生)と部下(下級生)を一堂に集めて議論しながら「権限のないリーダーシップ」を経験してもらい、それが日常の活動に活かせることを納得してもらうのが一番よい。今回のテニス部のリーダーシップ研修では、部員の大半が集まり、学年が異なるグループに別れてゲーム等を行い、簡易的な360度フィードバック(SBI)ののち、最後に日常の活動との関係まで議論できたことでそれがかなり実現したところに大きな意義があると思う。今後も年二回のペースでこうしたリーダーシップ研修を行う計画がある。

在学中に、長期にわたって、厳しい上下関係のあるなかで権限のないリーダーシップを発揮した経験というのは、体育会に所属していない学生には滅多にできない経験であり、きちんと言語化できていれば大きなアドバンテージになるのではないか。企業の採用担当者は、体力や上下関係への慣れで体育会出身者を採用するのではなく、「上下関係のあるなかでの『権限のないリーダーシップ』の経験者である」という観点で体育会出身者を再評価してほしい。そのような人材は、グローバル基準での良い上司・良い部下の候補者であることにもっと注目してほしい。

また、全国の大学体育会(と高校の部活動)には、こうしたリーダーシップ研修を取り入れていただきたい。文武両道をかかげる体育会は多いが、そもそも、体育会の活動が武で、授業での勉強が文だという理解は皮相である。体育会活動のなかにも文と武がある。適切に設計すれば、体育会の活動自体の中に、体力・技能養成(武)と、グローバル基準のリーダーシップスキルの涵養(文)という要素を組み込むことができるのである。

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2010年9月12日 (日曜日)

マッケンローやコナーズなら暴れていたところだが

 4月から大学のテニス部部長になったので、関東学生テニス連盟のリーグ戦(毎年9月)は、あちこちの大学に行って応援することも仕事になった。昨日はある大学との試合で、相手校コートまで行ってきたのだが、試合が白熱した(ダブルスの3セットマッチに4時間半かかった等)うえに、大人たちの目から見れば運営が稚拙で、しかも判定をめぐるトラブルが続出して朝9時から、日没で会場を移して夜10時までかかってしまった。トラブル続きなのに、選手たちが、おそらく内心怒りを覚えながらも、それをコントロールしならが調子を維持して試合に集中しようとしていたのには非常に感心させられた。ただ、判定をめぐる学連係員の裁定(みたいなもの)や運営は控えめに言ってもお粗末で、このままうやむやにはしないほうが良さそうなので、試合終了後に下記のようなメールを部員に送った。

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 皆さん昨日は遅くまで大変ごくろうさまでした。とても学ぶことの多かった一日だと思います。私が昨夜早口で話したことは分かりづらかったかもしれませんので再説しておきます。

試合内容(技術や戦略)については(いつものように)他の方から助言してもらってください。私の言いたかったのは、次の二つのことを区別して考えてほしいということです。

(1)判定について

相手校のあの人がけしからんとか、学連係員がだらしないとかいろいろ不満はあるでしょう。私も他のOBOGと一緒にコートサイドで怒りまくっていました(もちろん言動には表しませんでしたが)。

ただ、人が成長するための学習の方法の一つとして、

「不満を感じたら、落ち着いて、それを提案に変えてみよう」

というのがあります。今回の場合、怒りがおさまったら(おさまらなくても!)、「もし私が学連の係員だったら、どうするのがいいだろうか」「私が学連係員から携帯で相談を受ける学連本部の役員だったら、電話でどうやりとりして、どう指示するのがいいだろうか」「今後の試合運営を改善するためにはどういうマニュアルを作ったらいいだろうか」というのをよく考えてみてください。「抗議としてではなく提案として」学連に送るようなつもりで考えるのが肝心です。

この作業をしないでいると、「あの人がいけない」と「でもしかたない」という二つの極を行ったり来たりするだけでとっても不毛です。逆に、この作業を冷静にしっかり行っておくと、次回同じようなことがおきたときの行動も適切にでき、被害も最小化できるでしょう。


(2)不可解な判定・裁定があったときの行動

その試合のプレーヤーは、もちろんその場では上記の(1)の作業を始める必要はありません。その場はあっさりそれは捨てて、事件・事故での中断が自分たちに不利にならないようにメンタル&フィジカルなコンディショニングに専念すべきです。(1)は後で考えよう(今は他の人に任せよう)、いまはコンディショニングだ、というふうに割り切ることです。

抗議・質問権限のある人たち(キャプテン?)は、(1)のほうも常に考えている必要がありますね。

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昨夜私の後にスピーチしたコーチは私より更に上を行っていて、「強くなるには人として成長することが必要である。そうすれば技術は後から着いてくる」。凄い。武道家みたいだ。

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2010年3月28日 (日曜日)

質問の効能~コートサイドにて

ピザを食べ過ぎた翌朝は紅白戦。花粉でテニスできない自分はコートサイドで見物するしかない。よしんばテニスできる体調であったとしても、選手たちの打球の速さを見ていると、自分がコートに入って練習に貢献できるとは思えない。それなのに一試合が終わると選手たちは走ってこちらに来て、律義に「アドバイスお願いします」と言う。
 はてどうしたものか。「エラーが多いな」とか「もっと走れ」とかテキトーなことを言ってもかえって恥をかくだけだろうと思うので一回目は「元気でいいね。頑張るように」とか無難なことを言って帰すが、ふとアクションラーングの手法を使うことを思いつく。「まずコーチのところに言って助言もらってきなさい」。コーチのところに行ってからこちらに来た選手には「コーチに何と言われた?」「その助言は腑に落ちる?」「これからどう練習する?」等と問答すれば本人の学習の定着には役立つだろうし、「アドバイスお願いします」という殊勝な心がけというか習慣も無駄にならない。これは質問会議のコーチ役が、コンテンツに全然入り込まなくても(コンテンツがあまり分からなくても)メンバーの学習を促進することはできるというのとほとんど同じなのじゃないか。

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冬のピザの試練再び

先週、大学の体育会テニス部の合宿に行ってきた。テニス部の副部長になってから二年以上経つのだが、まだ一度も合宿に行ったことがないので、一度くらいはどんなものか見ておこうと思った次第。東伊豆の稲取にあるスポーツヴィラというところで、これは実はルネッサ系列だったのが、伊豆バイオパークを持つ会社に買収されて名称も変わったらしい。稲取は、都立大@八王子時代に2泊3日の合宿に来たことがあったが、最近は遠ざかっていた。
 体育会の練習はハードだから最後の晩にお邪魔して料理でもして慰労しようと鉄鍋を送っておいた(あの重さと大きさのローラーダッフルを千円ちょっとで送れるのは助かる)。料理をする部屋に風呂がありますというから、例によって風呂でピザ生地を膨らませればいいと思っていたら、「いやバスタブはないんです」というのが最初の難関。しかも行きに池袋で買ったドライイーストがいつものと違って「英国製の強力なものです」ってのがどうも変で全然膨らまない。バスタブがないので洗面台に栓をして湯を張ってボウルをうかべるものの栓が甘くて湯がなくなっていくため温度が安定しないからますますいけない。
 13人の部員に最初の鶏・キノコ・チーズの蒸し焼きを供したまでは良かったが、ピザ生地が全然膨らまないため、第二のおかずを作るのはあきらめ、急遽予定を変更してパスタを連続して作らざるをえなくなった。500gのパスタをゆでること三ラウンド、合計1.5kgのペンネをジェノベーゼ、アラビアータ、アーリオオーリオペペロンチーノで次々出してもまだ食べるスピードが落ちず、ゆでたズッキーニと茄子をワインビネガー味で出し、あと500gのスパゲッティーニを残すのみとなったとき漸く落ち着いた。
 さすが体育会諸君の食欲は凄いと思ったらまだその後がある。いったん解散したあとピザ生地が心持ち膨らんできたので、下級生を部屋に返し4年生とコーチたちだけで膨張率の悪い生地でピザを作って食べてみたら、いつもような軽くてぱりぱりというのとは違って食感は重いが味はなんとかなる。用意した800gを5人くらいでほぼ完食。生地が半端にしか発酵しない場合でも焼けば何とか食べられるというサバイバルtipを学ぶ。

【追記】その後、学生の発案で、炊飯器の保温機能を使えば、簡単に発酵させられることが分かりました(2012年5月)。

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2005年12月29日 (木曜日)

花粉の来ないうちに

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3年使っていたプリンスのラケットの飛びが悪くなってきた(って、ラケット自体が飛んでも怖いですがぁ)ので、Wilson Hammer 6に換えました。背景に見えるのはもう15年近く僕が所属しているテニスクラブです。

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2005年9月 9日 (金曜日)

Serious baseball town

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いま米国ミズーリ州セントルイスに出張で来て四日目です。やっと夜の時間に空きができたので野球を見てきました。National League中部地区の優勝が近い時期らしく、また元オリックスの田口選手が今年は活躍しているようです。Denverから移ってきたある人に言わせると「この町はserious baseball townだ」。

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