リーダーシップ教育のlegitimacy
ILA3日目。大学におけるリーダーシップ教育の正統性legitimacyの問題の座談会に行ってみました。そこで議論されているのは、リーダーシップ科目が学内で認知されておらず単位がつかないとか、副専攻がせいぜいだとか、教員は非常勤ばかりだとかの大学があって、その現状を打破したいのだが、ILAが何か支援できないかという話でした。それにはILAがリーダーシップ教育の認証をやったらいいのじゃないかというアイデアも出されていましたが、聞いているうちにどうしても言わなくてはと思い手をあげました。「いま議論されていることは、アジアの大学のリーダーシップ教育プログラムを支援するという観点で言えば、申し訳ないが、贅沢品の議論ではないか。アメリカでは、学内にリーダーシップの意義を理解する人が少ないから苦労するのではなくて、皆リーダーシップの意義は理解しているものの、家庭や高校だけでなく大学でまで教えるべきものかどうかで議論が分かれているだけのように思える。しかるに日本を含むアジアでは、一部の国でリーダーシップの意義が理解され始めただけで、社会の理解はなく、中国に至ってはリーダーシップの訳語すらないと聞いている。しかしそういう国でもリーダーシップは本当は必要ではないのか。そうならILAはどう支援していけばいいのだろうか」と意見を言いました。英国人のパネリストが「そうだ、日本でリーダーシップ教育プログラムを始めるのは不可能だろう」と口を滑らせたので、「明日の私のパネルに来てください」とちゃっかり宣伝しておきました(笑)
その座談会が終わって廊下に出ると、タイミングの良いことに、アジア系の二人組が歩いていたので、「この大会でアジアの人らしき人を見たら必ず声をかけているんです」と言って話しかけたら北京の精華大学学生部の人で、来年からリーダーシッププログラムを始めるそうなのです。どういうリーダーシッププログラムか知りたかったので、「中国でリーダーシップのことを分かっているのは誰ですか」と質問してみたら「心理学と組織行動論とビジネス界の人」とすらすら答えたので、凄い、ちゃんとリサーチしているなと分かります。立教の授業を見に来てくださいと招待しました。
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