カテゴリー「02ussj. San Jose」の11件の記事

2012年5月24日 (木曜日)

Teaching, coaching and learning

「ティーチングからラーニングへ、と言われて久しい」のだそうですが、教師が教室内外ですべき仕事は何か、という意味では「ティーチングからコーチングへ」あるいは「ティーチング専業からコーチング・ティーチングの兼業・使い分けへ」のほうが正確ですよね。コーチング以外にラーニングをデザインするという仕事も含めるなら、「コーチング・ティーチング・ラーニングデザインの兼業」か。ああ忙しいw ただ、教師がKhan Academyみたいなビデオを自分で作ることにこだわらずどんどん外部のものを使うようにすると、未来の教師はコーチングとラーニング・デザインに特化することになるのかもしれませんね。これは面白いかも。

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リーダーシップに対するニーズ

 私の経験した範囲での話ですが、米国では、リーダーシップが重要だ、とかリーダーシップ教育は必要だ、という認識は、日本とケタ違いに普通のことのようです(米国でリーダーシップ教育の成果が順調にでているかどうかという話は別だけど)。リーダーシップというとカリスマ性のある凄い人、織田信長とか豊臣秀吉をイメージしてしまって、「私には関係ないこと」と思ってしまう人が多いせいかも(あげくの果てに「フォロワーシップも大事」という話になってしまう。これはリーダーシップを二元論dualismでとらえているせいですね)。米国では、大学の職員とか、銀行で口座を開くときに話すマネジャーとか、「何を教えているんですか」という話に自然になり、そのとき「マーケティング」と答えるの以上に「リーダーシップ」のほうが分かってもらいやすいと言えるかもしれない。ホノルルでタクシーの運転手が興味を示すからリーダーシップのことを話したら料金を値引きしてくれてこっちが驚いたこともありますw

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経営学と関係ないリーダーシップ開発とleadership minor設置の意義

 サンノゼ州立大では、経営学部が全学に対してリーダーシップ・マイナーを提供し始めました(始めました、というのは三年前に訪問したときには無かったからです)。ワシントン・ボルティモア方面で訪問した3大学ではStudent Affairs (Student Life)が提供していたので、サンノゼ州立大(以下SJSU)ではどうしてそうしないのかと尋ねたら、確かに、専門科目は各学部が提供し、(リーダーシップのような)ジェネリック・スキル養成についてはStudent Affairsが提供するという分業は魅力的だけれども、この大学ではStudent Lifeが出す科目に対して単位を出すことには学内の抵抗が強そうだからという答でした。ジョージ・メーソンでもStudent Lifeの提供科目を公式単位科目として認定してもらうようにするまでにいろいろ苦労したと聞きましたから、同じ事情でしょう。メリーランド州立大は大学の職員側部局が教育上の役割を直接果たすことについて全米で見ても先進的で、それに関する博士課程もあって弟子を輩出しているから他大学への影響力が大きいそうです。そういえばメリーランド州立大教育学部の重鎮Susan Komivesさんのところから、ジョージ・メーソン(バージニア州立)大にもKomivesさんの弟子や同僚が何人も送り込まれています(4月はじめに会った人の何人かは、まさにその人たちだったわけです)。また、リーダーシップ・マイナーを誰が提供するかについては、Student Affairsの位置づけ以外に(まあ当然のことですが)学内でどのセクションがリーダーシップ教育のノウハウを最も持っているかという要因も大きくて、サンノゼ州立大では経営学部に優位がある(たぶんJoyceさんが居るから)ので現状のようになった、と。
 そのような違いがある半面、東部で訪問した三つの大学とサンノゼ州立大で共通しているのは、主専攻と副専攻の二本立てが(必修にせよ選択にせよ)確立していて、副専攻の中には専門知識ではなく(リーダーシップのような)ジェネリック・スキル涵養のための科目群があること。また、学生が副専攻として○○を学びました、と履歴書に書くためには副専攻内で積み上げ式に科目をとらなくてはいけないこと。
 リベラル・アーツを重視するとしたら、一般教養科目のようにいろいろな科目をとることを強制するか、主専攻と副専攻を持つことを強制するか、どちらがいいのかについては既に多くの議論があると思いますが、積み上げ式の科目を提供するなら副専攻のほうが好都合で教員にも(意欲的な)学生にも良いのでしょうね。
 リーダーシップマイナーを作ることにはもう一つ大きな意味があります。英語の leadershipには、「経営陣」「責任者たち」「管理職たち」という意味もあるせいだと思いますが、米国の大学や大学院でleadership programがあります、と自称しているところでも、実は「管理職にな必要な科目群」という意味でしかないようなものがかなりあります。つまり、「管理職に必要な会計学」「管理職に必要なマーケティング」「管理職に必要な経営戦略論」「管理職に必要なHR」等々の集合体がleadership programですよ、というわけだ。これはリーダーシップそのもののスキルを磨くというリーダーシッププログラムではない。どこの大学が真のリーダーシッププログラムを提供しているかを見分けるかなり確実な方法があります。それは、リーダーシップをマイナー(副専攻)として提供していれば、そのリーダーシッププログラムは大なる可能性で(管理職の知識集合体という意味ではなく)リーダーシップスキルの涵養を目指しているのです。そうだとすると、真のリーダーシッププログラムを持っていると自称する大学(学部)は、外からそのように判断されるためにはリーダーシップマイナーを持つのが効果的であり必要なことなのではないでしょうか。

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建物も出身国も多様

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Student Center建設

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2012年5月23日 (水曜日)

サンノゼ再訪

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2009年4月 5日 (日曜日)

リーダーシップ・アセスメント

今回の出張の最大の目的はリーダーシップを評価する方法についての調査です。San Jose Stateでグローバルリーダーシップのアセスメントセンターが立ちあげられたと聞いたので早速話を聞きに行った次第です。

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週末にもあちこち案内してくれたJoyce Osland教授が迎えてくれました。Joyceさんとはかなり長時間ご一緒しましたが、他にもこの経営学部のビルで、大勢の人に次々に面談したり授業を見学したり、密度の濃い訪問でした。リーダーシップアセスメントについては、他の授業をも含めて発達中のITを使った手法の多くが使えること、アセスメントの項目についてはリーダーシップ開発論というよりリーダーシップ論そのものの成果を使えること、またこのアセスメントは受講生の成績評価にとどまらず、大学の外部から見て授業の効果を客観的に把握する(逆に言うと大学側から説明する)のにも同時に利用できること等、多くのことを学べました。

その他にも、Blackboardを正式採用しているという学部でも、その実態は、半数くらいの教員しか使っていないことがしばしばあるとか、学生からはBlackboardを使っていないからといって特にその教員に不平を言ったりしないこともあるとか(これは大学によるでしょうけどね)、Blackboardは使いづらいからオープンソースのMoodleの方がいいし教育支援システムでは「Blackboard=神」というのはとんでもないぞとか、いろいろな意見が聞けましたし、また遠来のビジターだからでしょうか、ここではとても書けないようなcollege politicsの話を、わりと気楽にしてくれる人が居ました。

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San Jose State

San Jose Stateと言えばこの大学(日本風に言えばカリフォルニア州立大学サンノゼ校)のことです。米国の州立大学の呼び方にはいくつかのパターンがあるようです。San Jose Stateの場合はどの州であるかは省いて所在地(市)で言い表す方式で、Kent State(オハイオ州立)とかPortland State(オレゴン州立)とか言うのと同じと思われます。(対照的に、UCLAやUMSLは州名が入っていますね)。地理的にはサンフランシスコに近いのですが、サンノゼの気候はサンフランシスコよりずっと安定し温暖で、キャンパスの緑も南国的です。

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San Jose Stateは1862年サンフランシスコで創立され、後にサンノゼに移り、西海岸では実は一番古い大学で、カリフォルニア州立大学システム(全23校)に組み入れられたのは1960年代だそうです。

3361152881_2a70cdfa77.jpg その1960年代にSan Jose Stateの名を世界に知らしめたというのがこの事件。メキシコ五輪(1968年)男子陸上200メートル走決勝で、一位と三位になったSan Jose Stateの陸上部学生が、表彰台で黒人差別に抗議するポーズをとったのです。

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この二人の選手(Tommie Smith and John Carlos)の像がSan Jose Stateのキャンパスに建てられています。また、もう一人、メキシコからの移民労働者の待遇改善に尽力した指導者の像もありました。San Jose Stateには、こうした公民権運動支持の顔と、もう一つシリコンバレーと連携する大学、という顔とがあります。

(追記)「UCLAなどと同じカリフォルニア州立大システム」と書いたら、「いやUCLAやUCバークレイは別のシステムだぜ」とご指摘いただきました。San Jose Stateが含まれるほうはこちらのようです。

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2009年3月30日 (月曜日)

Cruising in Santa Cruz

日曜午後、シリコンバレーに続いてSanta Cruzにも連れて行ってもらいました。1980年代に自分でレンタカーを運転しような記憶のある道を通ってとても懐かしく感じましたが、このSanta Cruzには行ってなかったようです。海岸沿いで少し高くなっているところに行くと、そこからサーファーたちを見下ろせる絶好のスポットになっており、大勢の人が見物していました。間近に、しかも見下ろすような角度なので、サーファーの顔が識別できるほどです。(写真の下のほうの地面は崖で、危険なので手前にてすりがあり、この写真は手すりのこっちからの撮影です。本気で撮る人は手すりを乗り越えていました)

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案内してくれた教授夫妻にお礼のメールをしたところ、翌週また同じところに行ってみたら、その日は波が低くてサーファーが一人もいなかったが、代わりに鯨が見えたそうです。また、Santa Cruzはサーファーにはとても有名な場所だが、ここのサーファーの中には中年になってもサーフィンばかりしていて、定職につかない(必要になったら一時的に働く)ピーターパン・シンドロームの人も多いという話です。不況になるとそれは維持しづらくなりそうです。

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2009年3月28日 (土曜日)

米国でもあっさり圏外になるiPhone

今回の米国出張には国際携帯としてiPhoneを持って行ったのですが、現地では結構あっさりと圏外になってしまいます。キャリアはAT&TとTMobileの間の自動選択なのですが、どちらもそんなに強力ではないように思えました。

現地のユーザ複数(カリフォルニア州立大サンノゼ校の教員)に尋ねてみてもその通りで、Verizonというキャリアの方がずっとカバレッジが広いので、圏外になりたくない人はVerizonとiPhoneを2台持ちしているのだそうな。もちろんiPhoneが出たことでAT&Tは加入者が増えたのだけれど、それでも圏外になることは多いそうな。アメリカではこの点はiPhoneの販売の障害になっていないのに対して、日本でははっきり障害になっているようですね。もしかするとアメリカでは携帯電話はときどき圏外になるくらいのことはあまり気にしない人が日本より多いのかもしれません。

なお、これもよく伝えられているように、不特定多数の人の使用を想定しているWi-fi(つまり家庭内・企業内ではない無線LAN)は日本より遙かに多く検知できました(WifiFoFumというアプリを使うと検知できます)。パスワードを教えてもらうと無料で使えたり、月額料金を払うと広域で使えたりといったタイプがあるので、メールやウェブはAT&TのネットワークとWi-fiのネットワークのどちらでも一定料金で使えるとすれば、AT&Tがあっさり圏外になっても、それで済んでいるのかもしれません。

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